2022 Fiscal Year Research-status Report
メタオミクスと質量分析イメージングによる根尖性歯周炎の再発マーカー因子探索
Project/Area Number |
22K09962
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野崎 剛徳 大阪大学, 歯学部附属病院, 准教授 (30263304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石濱 泰 京都大学, 薬学研究科, 教授 (30439244)
豊田 岐聡 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (80283828)
大塚 洋一 大阪大学, 大学院理学研究科, 准教授 (70756460)
三浦 治郎 大阪大学, 歯学部附属病院, 助教 (70437383)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | メタオミクス解析 / 感染根管治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、感染根管由来の検体に含まれる病原性因子や炎症関連因子をメタオミクス解析により探索するとともに、その量や局在と生体の炎症反応の関係を、免疫組織学的手法と質量分析イメージングを併用した解析により比較することで、感染根管治療への反応性や予後との関連性が深いマーカー分子を選出するとともに、これを用いた検査・診断法を確立することにより、感染根管治療の信頼性を向上させて、その予後を改善することである。 その目的を達成するために、本年度は実施計画に従って、感染根管から採取した検体を用いてメタオミクス解析を進めるためのプロトコルの作成を行なった。まず、一つの検体を用いてメタボロミクス解析とメタプロテオミクス解析の両方をともに行うために、検体からのタンパク質の回収率を指標として各種の検体抽出法を比較した。そして、その結果から抽出溶媒にはメタノールを用いることを決定し、感染根管治療時に採取した切削片、およびペーパーポイントを用いて吸収させた根管洗浄液を検体としたメタボロミクス解析を行うことで、根管内に存在する病原性物質と生体由来物質を解析する研究に着手した。 また、根管内の病原性因子の量的・質的変化や局在性と、根尖周囲の反応の関連性の解析に用いる動物モデルを作成するために、Sprague-Dawley(SD)系ラットおよびII型糖尿病ラット (SDT.Cg-Leprfa/JttJcl)を用いた根尖性歯周炎モデル動物の作成を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
メタボロミクス解析に使用しているガスクロマトグラフ/マススペクトロメトリー装置に不調が生じ、その調整に多くの時間を要しているため、進捗にやや遅れが生じている。現在はメタボロミクス解析を再開し、根管内に存在する病原性物質と生体由来物質の解析を行ってデータの安定性の評価を行なっている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は計画に基づいて、メタオミクスによる病原性物質・生体応答の解析と病原性マーカー因子の探索を行って行く予定であり、メタボロミクス解析を継続して行うとともに、メタプロテオミクス解析を開始して、両者のオミクス情報を統合していく予定である。 また、モデル動物の根尖周囲組織の病理組織学的所見と炎症関連因子の発現強度・発現分布を免疫組織化学にて解析するとともに、質量分析イメージングにより同部位における原因因子の分布を可視化して、その局在性と炎症関連因子の発現分布を比較することで、感染根管の予後悪化の指標となるマーカー分子の選出を行っていく予定としている。
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Causes of Carryover |
メタオミクスによる病原性物質と生体応答の解析、および検体採取は、2022年度に続いて2023年度も継続して行う予定であるが、これに用いる試薬等を次年度の助成金と合わせて購入することが望ましい状況となったため、次年度使用額が生じている。
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