2023 Fiscal Year Research-status Report
CXCR4/SDF-1 axis ameliorates the impaired wound healing and tissue regeneration in aged periodontal tissue
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22K09963
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
池上 久仁子 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (80779116)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏木 陽一郎 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教 (20598396)
山下 元三 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (90524984)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 細胞老化 / 歯周病 / microRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周病の発症と進行において、加齢は単一で最大のリスク因子である。歯周組織老化の細胞性機構として、細菌バイオフィルム、咬合力などの環境ストレスが歯周組織の細胞レベルの老化、いわゆる“細胞老化”を誘導することが推察されるが、その分子メカニズムには未だ不明な点が多い。申請者らは、ヒト歯根膜細胞に発現している約360種のmiRNAsにおいて細胞老化と強い関連のあるmiR-146aを同定し、その標的遺伝子としてCXCR4に着目した。昨年度の研究により、miR-146a- CXCR4軸を中心にCXCR4を発現している免疫細胞、歯根膜幹/前駆細胞や血管内皮細胞の歯周組織局所への遊走能、免疫老化ならびに幹細胞老化に及ぼす影響を検討してきた。miR-146aの発現量が低い正常HPDL(継代数<10)にmimic miR-146a、もしくはmiR-146aの発現量が高い老化HPDL(継代数>35)にinhibitor miR-146aを導入し、その影響を検討するとともに、in vivo高齢マウス自然発症歯周炎モデルでの検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始より、老化ヒト歯根膜細胞におけるmiR-146a-CXCR4制御機構の解析、ならびにCXCR4/SDF-1シグナルが老化ヒト歯根膜細胞の細胞機能に与える影響について解析した。初代ヒト歯根膜細胞(HPDL)の複製老化の実験系では、細胞老化の亢進に伴ってmiR-146aの発現は増加する一方でSDF-1の発現は減少する傾向がみられた。また、合成miR-146aの歯根膜細胞の導入により、炎症性サイトカイン産生に大きく影響することを見出した。また、正常HPDLのエクソソームより、miR-146a、miR-155の検出に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
歯根膜細胞におけるCXCR4/SDF-1シグナルが遊走能に重要であることが明らかとなりつつある。今後、miR-146aに調節される炎症サイトカイン産生がどのようにCXCR4制御機構に関係するのかを検討する。また、HPDL由来エクソソーム中のmiR-146ならびにmiR-155の発現量、細胞性機能についても検討する。次に、現在構築中のin vivo実験的歯周炎モデルを用いて歯周組織の組織治癒・再生にはたすCXCR4/SDF-1シグナルと老化細胞、炎症性サイトカインの役割について免疫組織学的解析により、老化歯根膜を中心に検討する。
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Causes of Carryover |
2023年度は一部の研究が当初の実験計画より遅延をきたした。2024年度は2023年度に購入予定であった一部の染色試薬ならびに抗体・プライマーをはじめとする実験試薬、動物を必要物品として購入する予定である。
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