2022 Fiscal Year Research-status Report
Differentiation mechanism of cell groups appearing in the healing process of pulp revascularization procedure.
Project/Area Number |
22K09971
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
村松 敬 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (00276982)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三友 啓介 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (90844051)
溝口 利英 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (90329475)
山口 朗 東京歯科大学, 歯学部, 客員教授 (00142430)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 歯髄 / 歯髄血管再生療法 / 歯根膜 / Type H 毛細血管 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は我々が開発した歯髄血管再生療法のマウス実験モデルを用いて硬組織形成のニッチと考えられる Type H 毛細血管(CD31 と endomucin に共陽性を示す毛細血管)の局在と硬組織形成への寄与を調べるため osterix の局在を検討した。 その結果、術後1時間では,根管内にType H 毛細血管を認めなかったが、5日では Type H 毛細血管は根尖より根管内に侵入し,微小な分枝を形成していた。7日では歯根中央付近に至る Type H 毛細血管が観察されたが、その先端では CD31 にのみ陽性を示し、endomucin には陽性を示さなかった。14日では根管内全体に Type H 毛細血管が認められ,特に根管壁周囲に局在していた。Osterix 陽性細胞は7日目では根管壁に沿って認められ,その近傍に endomucin 陽性毛細血管を認めた。14日では osterix 陽性細胞は根管壁全体を取り囲むように局在していた。新生硬組織を検討するためにはcalcein標識を行ったところ7日において endomucin 陽性毛細血管周囲に新生硬組織を認め,14日では新生硬組織の増加を認めた。以上の結果から,治癒過程において Type H 毛細血管は術後に根尖部の歯根膜組織から根管内に侵入し,硬組織形成に寄与することが示唆された。 2022年度に得られた結果は第156回 日本歯科保存学会、第314回 東京歯科大学学会で発表した。また歯髄血管再生療法のマウス実験モデルについては2022年に誌上発表された(Komada et al., Front Dent Med 2022)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の予定ではType H 毛細血管の局在を突き止めるのに2年かかるとみていたが、よく反応する抗体がみつかったことや細胞系譜解析でも用いる予定であったosterixの局在についてもある程度の結果が出てきており、予想以上に早いペースで進んでいる。また確立したマウス実験モデルでの精度が良くなったことも一因と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度の結果を踏まえて、2023年度は間葉系幹細胞の由来と局在、さらにはセメント芽細胞への分化について遺伝子改変マウスを用いた細胞系譜解析を行うとともに、Type H 毛細血管との関与を詳細に検討する予定である。
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Causes of Carryover |
当初、予定していた消耗品が予定より低価格で購入できたため残額が出ることになった。次年度にも同じ消耗品を使用することになっているので、そこで使用する予定である。
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