2022 Fiscal Year Research-status Report
Aiming to create an antimicrobial coated root surface! ~Development of a New Periodontal Disease Treatment Method Applying Biomimetic Methods~.
Project/Area Number |
22K09976
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田中 佐織 北海道大学, 大学病院, 講師 (90344522)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 貴惠 北海道大学, 大学病院, 助教 (00455677) [Withdrawn]
大矢根 綾子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 研究グループ長 (50356672)
宮治 裕史 北海道大学, 大学病院, 講師 (50372256)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 歯周治療 / レーザー援用バイオミネラリゼーション法 / 抗菌性 / セメント質 / 超高齢社会 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,新しい歯周病予防法及び進行抑制法を開発,実現することを目的として,レーザー援用バイオミネラリゼーション法(Laser-assisted biomineralization process: LABプロセス)を応用し,歯周ポケット内の汚染セメント質に「抗菌加工」を行うことに着想した.LABプロセスは,擬似バイオミネラリゼーション(過飽和溶液中でのアパタイト析出反応)をレーザー光照射で促進する応募者らの独自技術であり,歯面に形成されるアパタイトに抗菌性を付与することが可能である. 本研究は,過飽和溶液にフッ素,亜鉛,銀を添加して,アパタイトとの複合化することで,世界初の歯周病抗菌治療法を実現することを目指している. 令和4年度はヒトセメント質を用いてLAB法(リン酸カルシウム過飽和溶液中に浸漬,医療機器認可済の半導体レーザー(808 nm, Power: 3 W, ファイバー径 300μm)照射)により最適なアパタイトの成膜を試みた.適切な条件設定を行い、物性評価を行い,さらに抗菌性を有するAgを複合化し,物性評価を行った.抗菌性物質の複合化の方法は,試料としてヒトセメント質を用いて,サホライド(フッ化ジアミン銀)とレーザー光吸収色素を塗布後,フッ素を含まない過飽和Cap溶液中でレーザー照射を行ったが,Cap膜の生成は確認されなかった. 臨床応用を目指して根面に適切な照射条件を検討するために歯列模型を使用しポケット内へレーザー照射を行い,照射距離・角度と照射範囲を計測,照射条件を検討した.歯肉の形態によりポケット内照射角度が根面に平行となり,根面に照射するのがやや困難であった.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
抗菌性物質の複合化は,抗菌性を有するフッ化ジアミン銀,塩化亜鉛を用いて,ヒトセメント質への抗菌性物質複合アパタイトの作製を試みている.初の試みである銀の複合化アパタイト生成に関しては,Cap生成に成功していない. 根面に適切な照射を行うために,模型を使用しレーザー照射距離・角度と照射範囲を計測,照射条件を検討しているが,歯周ポケット内根面への照射が困難であり,レーザー光吸収のための色素塗布の方法とともに,検討中である.
|
Strategy for Future Research Activity |
抗菌性物質複合アパタイトの作製が最大の目的であることから,引き続き材料と方法を検討する.サホライド(フッ化ジアミン銀)以外の銀化合物を検討し,セメント質への銀の複合化の試みを継続する.方法としては,ヒトセメント質試料に,レーザー光吸収色素と硝酸銀の混和物を塗布後,フッ素を含まないCap溶液中でレーザー照射を行い,Capの生成の確認と物性を検討する. 歯周ポケット内根面へのレーザー照射の問題点として,歯肉模型の歯肉部分が厚く,ポケット内へレーザーのファイバーを挿入しづらいことがあげられる.臨床を想定して歯肉形態を改良し,引き続き歯周ポケット内根面への照射方法を検討する.
|
Causes of Carryover |
当初計画の遂行に関し、問題点等を解決する必要が生じた.そのため実験が遅延し,当初の実験計画が変更となった. 次年度の助成金と合わせて,計画的かつ適正に使用する.
|
Research Products
(5 results)