2022 Fiscal Year Research-status Report
象牙質再生能を有する歯質接着性デュアルキュア型覆髄材の開発
Project/Area Number |
22K09981
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
小河 達之 岡山大学, 医歯薬学域, 助手 (10346421)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸尾 幸憲 岡山大学, 大学病院, 講師 (60314697)
長岡 紀幸 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (70304326)
吉原 久美子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (90631581)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 覆髄材 / カルシウム / モノマー |
Outline of Annual Research Achievements |
歯髄保護は、偶発的露髄などにより歯髄が外界に露出した場合に行うもので、感染を防ぎ、外からの刺激の遮断をすることが不可欠である。これまでにさまざまな材料が検討されてきた。その中でもMTAセメントは、硬化性が高く、高いカルシウムの持続的溶出による象牙質再生能があり、高アルカリによる細菌の死滅が可能であることなどから、高い臨床的予後が得られている。 一方で、すでに市販されているレジン添加型MTAセメントは、カルシウムの溶出が少なく、再生象牙質の形成が不十分であるという報告がある。そのため、本研究で開発するレジン添加覆髄材が、高いカルシウムリリースを十分に維持することを目的としているため、高いカルシウム溶出を可能にし、かつ耐久性を示すモノマーとカルシウム材と混合する組成の検討が必要である。そこで、令和4年度は、モノマーの種類、配合の異なるレジン添加型MTAセメントの物性評価として、モノマーの種類、配合によるレジン成分の強度、耐久性への影響、カルシウム溶出のためのカルシウム材の選択を検討してきた。モノマーの種類によって、カルシウムリリースがかなり低いものや、歯科で一般的に使用されているモノマーであっても、MTAとの併用で劣化が著しいものなどさまざまであることが分かった。また、カルシウム材も、複数のカルシウム材を評価し、それぞれカルシウムイオン溶出量が異なることを確認した。また、カルシウム材の粒径が読イオン溶出に影響することもわかった。その結果を用い、令和5年度は、当初の予定通りレジン添加型MTAセメントの試作として複数試作し、そのレジン添加型MTAセメントの物性評価を行うことができると考えている。また、接着性モノマーの選択も行うことができたので、レジン添加型MTAセメントができれば、歯質接着性評価も行うことができる状況となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた事項すべて実施し、来年度実施予定の研究が進められる体制になっているため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、本年度は、レジン添加MTAセメントを試作するための基礎的知見を得ることを進めてきた。このなかで、レジン添加MTAセメントとして使用に適するモノマー、カルシウム材を複数見つけることができた。令和5年度は、それらのモノマー、カルシウム材を用いて、レジン添加型MTAセメントの試作として複数試作し、そのレジン添加型MTAセメントの物性評価を行う。また、レジン添加型MTAセメントの歯質接着性評価も行う。 令和6年度以降は、試作レジン添加型MTAセメントの抗菌性、細胞毒性評価を行い、有効な試作レジン添加型MTAセメントを絞り込み、ラットを用いた歯髄反応の評価を行う。 これらの結果から、最終的な最適組成を決定する。得られた結果は、学会発表、論文発表を行う。
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Causes of Carryover |
Covid-19の影響により、学会出張を行わなかった。今年度以降の学会発表および旅費としてしようする計画である。
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Research Products
(2 results)