2022 Fiscal Year Research-status Report
新規触媒技術を応用した難治性根尖性歯周炎関連バイオフィルムコントロール法の開発
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22K09998
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
前薗 葉月 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教 (00613390)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野杁 由一郎 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50218286)
内藤 克昭 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (70909506)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | バイオフィルム / 根尖性歯周炎 / 要時生成型亜塩素酸水溶液 |
Outline of Annual Research Achievements |
難治性根尖性歯周炎の治療は機械的なバイオフィルムの除去が主体であり、その化学的予防・治療法は未だ確立されていない。本研究では、申請者らがこれまでに展開してきたバイオフィルム研究を活かし、難治性根尖性歯周炎を惹起するバイオフィルムのコントロール法の開発を念頭に、根尖性歯周炎で難治化する細菌学的および分子生物学的要因を明らかにする。さらに、新規触媒技術を用いて根尖性歯周炎に関連するバイオフィルムの安全かつ効率的な除去効果を明らかにすることを目的とする。この目的のもと、臨床サンプルの解析により難治化の要因を解明し、実験的に検証可能な難治性根尖性歯周炎モデルを用いて、細菌・ウイルスに対峙した時のみラジカルを発生する、安全性が高く新しい材料である要時生成型亜塩素酸水溶液(MA-T)の効果について評価することを計画した。 難治性根尖性歯周炎に関連する、Enterococcus faecalis、 Fusobacterium nucreatum、 Porphyromonas gingivalis、 Parvimonas micra等の細菌において、MA-Tは最小発育阻止濃度と最小殺菌濃度が近似した値を示し、どの細菌においても浮遊細菌に対しては強い抗菌性を示すことが明らかとなった。 また、MA-Tと上述した各種細菌を同時に培養しバイオフィルムに対する形成抑制効果について検討したところ、MA-Tの浮遊細菌に対する強い抗菌効果が発揮されるため、バイオフィルムが形成されず、MA-Tのバイオフィルムに対する強い形成抑制効果を示すことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた実験計画を順次遂行しており、現時点ではおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は培養し形成された各種細菌のバイオフィルムへのMA-Tの影響を検討するとともに、ヒトプラークを細菌源として用いた多菌種バイオフィルムに対する抗菌性についても検討する。
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Causes of Carryover |
本年に遂行予定であった実験は比較的順調に進んでいるが、当初の計画よりも購入済の機器の使用により低予算で実験を遂行することができた。 次年度には海外発表を予定しており、円高の影響もあり当初の計画額で学会参加できないことも予想されるため、その補填に使用するとともに、研究計画を積極的に進めていく予定である。
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Research Products
(2 results)