2022 Fiscal Year Research-status Report
数値流体シミュレーションと心理音響解析による快音歯科ドリルの設計
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22K09999
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山田 朋美 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教 (70452448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野崎 一徳 大阪大学, 歯学部附属病院, 准教授 (40379110)
LI CHUNGGANG 神戸大学, システム情報学研究科, 講師 (70650638) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 歯科ドリル / 数値流体力学 / シミュレーション / 音響心理 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯科ドリルのキーンという音は多くの患者さんに嫌われる音であり、歯科ドリル音対策は患者が快適に治療を受けるための重要な課題である。 口の中にある硬い歯を削るために、1分間に40万回転もの高速で回転する直径10ミリほどの小さな機器である歯科用ドリルは、車や飛行機などで従来より行われている様々な騒音対策が実施できない現状がある。歯科ドリルの音がどこでどのように発生するのかが、未だ十分に解明されていない現状から、我々は歯科ドリルの発音現象を解明することが効果のある対策につながると考えている。 そこで、本研究では空力音響工学手法を用いた数値流体シミュレーションにより発音現象を明らかにし、音響物理実験や主観的心理評価実験と組み合わせた検証により、不快感を抑えた新しい歯科ドリルの設計につなげることを目的としている。 初年度となった今年度は、既存の歯科ドリルの構造をCTで読み取り、数値計算のために高度なメッシュ作成手法を新たに開発することにより、歯科ドリル内部の複雑で高速の空気の流れをスーパーコンピュータ富岳を用いて計算を行い、その結果、数値流体シミュレーションを行うことに成功した。これらの成果の一部を台湾で開催された国際学会において報告した。おおむね計画通りに進んでおり、得られたシミュレーションの検討を引き続き行い、目的を達成に向けて次年度も心理評価実験や音響物理解析など多面的な検討を加える予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高度なスパーコンピューターを用いたことにより、予測していた計算時間が大幅に短縮できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、ドリル内部の形状が切削時の歯科ドリル音に与える影響について、音響心理および音響物理面からの検討を進める予定である。
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Causes of Carryover |
共同研究者が国外の研究機関へ移動したため分担金を辞退したことと、依然コロナの影響で旅費の支出がなかったことにより繰越金が生じた。次年度の計画である心理評価実験や音響計測実験に伴う経費として、繰り越した助成金と次年度の助成金を使用する計画である。
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Research Products
(7 results)