2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K10000
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
水野 智仁 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (60325181)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 真司 広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (30611321)
應原 一久 広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (80550425)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 侵襲性歯周炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は新しく侵襲性歯周炎の原因遺伝子変異として同定されたヒトMMD2のR126P変異に着目して研究を遂行した。マウスMMD2においてこの変異はR127P変異となる。WT, R127P/+, R127P/R127Pマウスにおいて好中球をfMLP刺激したところ遺伝子変異マウスにおいてはERKのリン酸化が阻害され、好中球のchemotaxisが抑制された。マウス臼歯を絹糸結紮し24時間後に歯周組織を詳細に解析したところ、免疫染色の結果、R127P/+, R127P/R127Pマウスにおいては好中球の分布がWTマウスに比べて阻害されていた。また、炎症性サイトカインの発現をreal time PCR法で調べたとことろ、R127P/+, R127P/R127Pマウスにおいて更新している事がわかった。また、R127P/+, R127P/R127Pマウスにおいては歯周組織における細菌数の増加が認められ、Fluorescence in situ hybridization法においても最近の分布が多く認められる事がわかった。これらの結果は、MMD2 R126P変異を認める侵襲性歯周炎患者は、好中球のchemotaxisが阻害されるため、細菌の存在場所に好中球が走化することがおくれるため、細菌を排除することができず、炎症が惹起され炎症性サイトカインの発現が更新していることが示唆された。また、MMD2 A117V変異を有する患者の好中球を分離しプロテオーム解析を行ったところ、患者の好中球は健常者の好中球と全く違うクラスターに分けられ、特に初期の急性炎症に関するタンパク質群において発現が健常者好中球に比べて優位に低下していることが示された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
MMD2におけるR127P変異の病原性に関する詳細が解明されたため
|
Strategy for Future Research Activity |
今後はMMD2のA117VマウスおよびKOマウス、健常者に認められる変異を模倣したV100Lマウスを使用して侵襲性歯周炎でMMD2変異を有する患者の病態解明をすすめたい。
|
Causes of Carryover |
好中球を認識する抗体を購入予定であったが、他講座の研究者から無償でいただいたため購入せずにすみました。この額を用いて次年度に他の免疫細胞を認識する抗体を購入する予定です。
|