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2022 Fiscal Year Research-status Report

インテグリンを標的とした薬物性歯肉増殖症の新規治療法の開発

Research Project

Project/Area Number 22K10001
Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

岡信 愛  広島大学, 病院(歯), 歯科診療医 (00806581)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 松田 真司  広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (30611321)
水野 智仁  広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (60325181)
横崎 恭之  広島大学, 医系科学研究科(医), 研究員 (80210607)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2024-03-31
Keywords特発性歯肉線維腫症 / インテグリン
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、Integrin α8、α11の中和抗体を薬剤候補として、また解析ツールとして使用し、これまでに薬物性歯肉増殖症研究で得られた当研究室の知見と合わせ、「Integrin α8、 α11が薬物性歯肉増殖症に関与しているか」を検討した。
まず、シクロスポリンA(CsA)誘導性歯肉増殖症モデルマウスの歯肉組織中のIntegrin α8(ITGA)、 α11(ITGA11)のmRNAおよび蛋白レベルをreal-time PCRおよび免疫染色を用いて解析したところ、対照群と比較し、mRNAレベルで両者の有意な発現の上昇と、蛋白レベルでITGA8の上昇傾向が観察された。
次にヒト歯肉線維芽細胞(HGF)を使用しCsAを作用させたところ、作用後24時間でITGA11のmRNA発現の有意な上昇を認めた。さらに、このHGFを用いてRNAシークエンスを行ったところ、小胞体ストレスの関与が示唆された。そこで、ツニカマイシンを使用してHGFに小胞体ストレスを与えたところ、ITGA11、ACTA2のmRNA発現の有意な上昇を認めた。
小胞体ストレスが持続すると、ストレスセンサー蛋白を介してATF4の発現上昇とその下流のCHOPの転写誘導が起こることが知られている。本研究では、CsAが小胞体ストレスを引き起こし、その結果としてITGA11の発現が上昇すると仮説を立て、実験を行った。結果としてHGFにCsAを作用させると、ATF4、CHOPともにmRNA発現の有意な上昇を認めた。
次に、CsA誘導性歯肉増殖症モデルマウスを用いて、ITGA8、ITGA11中和抗体の投与実験を行った。歯肉増殖の程度は対照群と比較し、両者の中和抗体で有意に抑制され、抑制の程度はITGA11の方が大きかった。
引き続き、CsAがITGA8、ITGA11の発現の増加を引き起こすメカニズムについて追求していく予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

マウスの歯肉組織中のITGA8、ITGA11のmRNA発現は薬物性歯肉増殖症モデルマウスにおいて、対照群と比較して有意な上昇を認めた。
免疫染色でも、ITGA8のタンパク発現は、対照群と比較してCsA導性歯肉増殖症モデルマウスで増加傾向が観察された。
また、CsA誘導性歯肉増殖症モデルマウスを用いて、ITGA8、ITGA11中和抗体の投与実験を行ったところ、歯肉増殖の程度は対照群と比較し、両者の中和抗体で有意に抑制され、抑制の程度はITGA11の方が大きかった。
したがって、概ね想定していた結果が得られており、研究は概ね順調に進展していると考える。

Strategy for Future Research Activity

引き続き薬物性歯肉増殖症とITGA8、ITGA11の関係について研究を進めたい。
ヒト歯肉を用いた遺伝子発現解析については、サンプル数を増やすことで統計的な有意差を認めるか、引き続き確認したい。
マウスを用いた実験では、CsAを投与することによって蛋白レベルでITGA11の発現の変化を認めるか、さらに検討を行いたい。また、ITGA8、ITGA11をノックダウンすることで、歯肉増殖に与える影響についても検討したい。
また、siRNA実験を行い、CsAがITGA8とITGA11の発現を上昇させるメカニズムについて、詳細に検討していきたいと考えている。

Causes of Carryover

所属研究室の備品を使用したことにより、使用額が少なく抑えられたことによるものである。次年度使用額は引き続き物品費に使用する計画としている。

URL: 

Published: 2023-12-25  

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