2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K10003
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
西谷 登美子 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (90815888)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星加 知宏 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 講師 (20609953)
佐藤 匡 東北大学, 歯学研究科, 講師 (40637964)
矢島 健大 東北大学, 歯学研究科, 助教 (40779550)
西谷 佳浩 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (60325123)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 歯髄炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、はじめに歯髄炎における歯髄や三叉神経節でのイオンチャネル、神経原性の炎症に関与する神経ペプチド、さらには神経損傷に関与すると考えられるシヌクリンの動態を観察する。次に、歯髄と三叉神経節の関係や各種物質の分布を、歯に逆行性トレーサーを用いることで詳細に解析する。そして上記物質のアンタゴニスト等を歯髄に適応することで、炎症や神経損傷を軽減し、鎮痛や歯髄炎の治癒に繋げることが目的である。 今年度はパーキンソン病の原因タンパク質と考えられ、神経損傷にも関与してると推察されているαシヌクリンの正常マウスの歯髄、歯肉、歯槽粘膜における分布を免疫組織学的手法を用いて調べた。αシヌクリンはこれらの組織における神経線維に観察された。αシヌクリン陽性神経線維の形態は平滑でその太さは様々であった。根部歯髄においては神経線維束中に多くの太い神経線維が認められた。また太い血管周囲においてもαシヌクリン陽性神経線維が分布していた。象牙芽細胞層の下でこれらの神経線維は枝分かれし、その太さは細くなっていた。しかしながら象牙芽細胞層や象牙前質にはαシヌクリン陽性神経線維は観察されなかった。また正常歯肉においては粘膜固有層にαシヌクリン陽性神経線維を含む細い神経線維束が粘膜上皮に向かって走っているのが観察された。上皮下でのαシヌクリン陽性神経線維や神経線維束の枝分かれは明瞭ではなく上皮内にも陽性神経線維は観察されなかった。しかしながら付着上皮内の一部の細胞はαシヌクリン陽性であった。これらの細胞の一部は好中球であると考えられた。また歯槽粘膜におけるαシヌクリン陽性神経線維は歯髄や歯肉と比べ少なかった。以上の分布からαシヌクリン陽性神経線維は感覚性で、三叉神経説由来であることが示唆された。αシヌクリンは歯髄や歯肉における痛みを含む体性感覚の伝達に関与しているのかもしれない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、αシヌクリンの正常マウスの歯髄、歯肉、歯槽粘膜における分布を免疫組織学的手法を用いて調べた。当初の計画に対しておおむね順調に進展している。しかし一部のデータ解析で遅れが出ているため今後さらに研究を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は炎症性歯髄におけるTRPチャネル、Na+チャネルやαシヌクリンを含む神経線維の分布を明らかにする予定である。
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Causes of Carryover |
研究は概ね順調に進行しているが、データ解析に一部遅れが出ていること、予定の物品の納品が遅れいることなどから使用予定金額が残存した。引き続き来年度の研究のため試薬・材料などの購入に用いる予定である。
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