2022 Fiscal Year Research-status Report
歯髄炎に起因した異所性異常疼痛に対する三叉神経節細胞間のマクロファージの関与
Project/Area Number |
22K10008
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
大原 絹代 日本大学, 歯学部, 助教 (10731606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 淳 日本大学, 歯学部, 講師 (10386055)
岡田 真治 日本大学, 歯学部, 専修医 (60844008)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 歯髄炎 / TLR4 / 三叉神経説細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、三叉神経節細胞間における機能連関の分子メカニズムを明らかにすることで原因不明かつ難治性の口腔顔面痛の治療法や新薬の開発に、従来とは異なるアプローチによって貢献することを目指すものである。 これまでの研究で、歯髄炎が引き起こされると、炎症歯髄を支配する三叉神経節細胞の活動が著しく亢進し、舌を支配する三叉神経節細胞にToll-like Receptor (TLR)が発現し、舌に異所性異常疼痛が発症することを明らかにした。そこで今回、歯髄炎モデルラットの行動解析および行動薬理学的解析を行うとともに、免疫組織学的手法および生化学的手法を用いて三叉神経節細胞の活動性変化および様々な生理活性物質の合成変化を検討することで、歯髄炎に伴う異所性異常疼痛の発症機構の解明を目指す。 令和4年度の研究実施計画として、まず生後8週目SDラットを用いて、左下顎第一大臼歯の歯髄炎モデルラットを作製した。処置群として、LPSおよび生理食塩水群(以下Saline群と示す)、対照としてSham群の3群を作製した。そして、これら3群の舌への機械および熱刺激に対する逃避閾値変化を処置前、処置後1、3、5、7、9、11、14日目と経日的に計測し、行動解析を行った。その結果、Sham群と比較して、処置後1日目のLPS群およびSaline群に最も有意な閾値変化を認めた。今後は、処置後1日目の歯髄炎モデルラットを用いて三叉神経節におけるCD137Lおよび活性酸素(ROS)の発現を免疫組織学的手法にて解析を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今年度の予定としては、①歯髄炎発症後の舌への機械および熱刺激に対する逃避閾値変化の解析と②三叉神経節におけるCD137Lおよび活性酸素(ROS)の免疫組織学的解析を実施する予定であったが、歯髄炎発症後の舌への機械および熱刺激に対する逃避閾値変化の解析が思うように結果が出ず、時間を要してしまったため遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として、令和4年度に実施する予定であった三叉神経節におけるCD137Lおよび活性酸素(ROS)の発現を免疫組織学的手法にて解析を行い、終了次第、令和5年度以降に行う予定である研究も随時遂行していく予定である。
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Causes of Carryover |
令和4年度に実施する予定であった三叉神経節におけるCD137Lおよび活性酸素(ROS)の発現を免疫組織学的手法にて解析することまで遂行できなかったため、次年度使用額が生じた。令和5年度は、令和4年度に実施する予定であった免疫組織学的解析を行うとともに令和5年度に行う予定である研究も随時遂行していく。
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