2022 Fiscal Year Research-status Report
脂肪肝-歯周病の基盤病態オルガノイドによる性ホルモンバランス因子の解明と漢方創薬
Project/Area Number |
22K10009
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
肖 黎 日本歯科大学, 生命歯学部, 准教授 (80548256)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中原 貴 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (10366768)
望月 真衣 日本歯科大学, 生命歯学部, 准教授 (90821934)
筒井 健夫 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (70366764)
鳥居 大祐 日本歯科大学, 生命歯学部, 講師 (10548259)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 脂肪肝 / 培養インサート / 性ホルモン / 歯周病 / 慢性炎症 / 脂肪細胞 / 歯肉由来線維芽細胞 / 環境保護 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では歯周病と脂肪肝との関連性を細胞レベルで再現するため、ヒト歯肉由来線維芽細胞(hGFs)とOP9前駆脂肪細胞との共培養において、歯周病原細菌由来のLPSとPMAを用いた新規脂肪組織炎症反応誘導法を開発した。ELISA法、脂肪染色法や走査型電子顕微鏡(SEM)で調べたところ、LPSはOP9細胞の増殖を促進し、脂肪分化誘導培地(KSR-PMA)によるOP9細胞の脂肪滴蓄積とAdiponectinの分泌を抑制する作用があることが明らかになった。共培養のhGFsは、上記のOP9細胞に対するLPSの作用をさらに促進した。また、OP9細胞はhGFsの炎症性サイトカインIL-6の分泌を刺激することが明らかになった。結論として、歯肉由来線維芽細胞と脂肪細胞は炎症性環境下で相互的に作用し、前者が炎症因子による脂肪細胞の機能障害を悪化させ、後者が歯肉由来線維芽細胞の炎症反応を促進することが示唆された。 また、本研究を推進しているうちに、市販品よりin vivoに近似な条件を再現し、環境にやさしい細胞培養インサートを開発した。 本研究と関連する論文2報が国際誌に掲載された。 1.Li Xiao, et al., Types of cell culture inserts affect cell crosstalk between co-cultured macrophages and adipocytes, Biochemical and Biophysical Research Communications, 2023, https://doi.org/10.1016/j.bbrc.2023.03.068. 2.Wang D, et al. Enzyme-Digested Edible Bird’s Nest (EBND) Prevents UV and Arid Environment-Induced Cellular Oxidative Stress, Cell Death and DNA Damage in Human Skin Keratinocytes and Three-Dimensional Epithelium Equivalents. Antioxidants 2023, 12, 609. https://doi.org/10.3390/antiox12030609.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.炎症反応による脂肪細胞の機能障害に対して、歯肉由来線維芽細胞が増悪させる作用があることが明らかになった。 2.炎症環境下、脂肪細胞は歯肉由来線維芽細胞の炎症反応を促進することが分かった。 3.市販品よりin vivoに近似な条件を再現し、環境にやさしい細胞培養インサートを開発した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、in vitroにおける脂肪肝オルガノイドを構築する。既報(Nature 499:481-484, 2013.)(Cell Metab 30:374-384.e6, 2019.)に基づき、肝幹細胞をマトリゲルドロップ内に埋め込み、分化導入培地と肝細胞誘導培地を用いて、数種類の肝実質細胞を有し、胆管類似構造を持つ肝臓組織オルガノイドを作製する。その後、肝臓オルガノイドは、申請者が開発した三次元炎症性脂肪組織モデルと共培養を行い、脂肪酸と炎症惹起因子のPMAとLPSを作用させて、中性脂肪蓄積、炎症細胞浸潤、インスリン抵抗性の脂肪肝病態を再現する 。
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Causes of Carryover |
理由:研究を行った際、安価かつ環境保護作用がある細胞培養器具を開発したため、次年度使用額が生じた。 使用計画:1.試薬の購入 2.研究に必要備品(冷凍庫類)の購入 3.論文発表と掲載費用
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Research Products
(3 results)