2022 Fiscal Year Research-status Report
付着上皮再生による歯周病治療のComplete regenerationへの挑戦
Project/Area Number |
22K10022
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
松坂 賢一 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (70266568)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 啓 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (20733463)
国分 栄仁 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (70453785)
明石 良彦 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (70875690)
伊藤 太一 東京歯科大学, 歯学部, 准教授 (80312015)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 歯周組織再生 / 付着上皮 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周病は歯肉、歯根膜、セメント質、歯槽骨が破壊される疾患であるが、これまでの歯周病治療のゴールは、原因であるバクテリアを除去し、その生体応答である炎症を消退させることにある。そのため、歯肉上皮がセメント質に付着させて結合組織性付着を目標とすることであった。しかし、上皮をエナメル質と接着させることによって歯周組織を再生しなければ、外部環境から内部環境を守る本来の構造には至らず、歯周病が再発する可能性が高いことは言うまでもない。こ本研究は、一度破壊された付着上皮を再生させ、エナメル質と接着させることによって歯周組織を再生し、外部環境から内部環境を守る本来の構造を再生させる。 これを実現するために、まずは、実験的に付着上皮の再生をin vitro的に行う必要がある。2022年度は、マウスの歯胚を用いて、エナメル質を形成する上皮成分を分離することを試みた。マウス胎児の下顎骨から萌出前の歯胚を摘出した。C57BL/6NCrの妊娠15日マウスを安楽死させ、胎生15日齢マウスの下顎骨を採取し、実態顕微鏡下で25Gの注射針を用いて、下顎骨の歯胚存在部を穿孔し、下顎第一臼歯を摘出した。摘出した歯胚の組織切片を作製して上皮成分および間葉成分の構築を確認した。別の歯胚に対して、dispaseに2分間浸漬し、上皮成分と間葉成分を分離し、同様に完全に分離されてることを組織切片にて確認した。歯胚上皮成分の分化誘導を行うために、摘出した成獣象牙質基質を培養条件に合う形態に調整した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度は実験動物を用いて、エナメル質基質に接着する付着上皮の人為的に作成するために、マウス胎児から歯胚を摘出し、上皮成分と間葉成分に分離した。組織切片による評価を行い、上皮成分の分離を確認することができた。当該年度では、遺伝子発現およびタンパク発現の確認を行う予定であったが、現時点では試料の収集にとどまっている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度では、マウス歯胚から採取された上皮成分をあらかじめ培養に適するように調整した象牙質基質上で培養することによって、上皮のエナメル芽細胞への分化を促進することを試みる。エナメル芽細胞への分化が確認できた後に、形成されたエナメル質と付着上皮のヘミデスモゾーム結合を確認する。 2024年度以降にはin vitro的にヘミデスモゾーム結合が再生されたエナメル質-付着上皮複合体を歯周病を惹起させたマウスに移植を試みる。
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Causes of Carryover |
本研究におけるエナメル質と接着する付着上皮再生を確認するための免疫組織化学的染色に関わる抗体購入を次年度に充てるため、次年度使用額が生じた。
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