2022 Fiscal Year Research-status Report
培養骨膜細胞の機能性移植基材としてのRGDペプチドおよびDBMの有効性解析
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22K10033
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
永田 昌毅 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任教授 (10242439)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 培養骨膜細胞 / 骨再生 / RGDペプチド / 脱灰骨基質 |
Outline of Annual Research Achievements |
【予備実験の実施】患者ボランティアから採取したヒト培養骨膜細胞を製造し、分散細胞を液体窒素に保存し、細胞ストックを作成した。 背部移植について予備実験の準備を実施した。ただし、入手可能なチタンメッシュではラットに適する大きさのケージ作成が困難であったため、実験方法の変更を検討した。①ポリ乳酸系樹脂プレートで直径9mmの皿状シェル(高さ1mm)を作成し、これをケースとしてラット頭蓋骨上に移植材を置く方法に変更し、その実施可能性を検討した。予備実験の結果、移植材が感染を起こさず、頭部組織に同化される所見が確認された。②実施可能性を検証する予備実験として、RGDペプチドおよび脱灰骨基質(DBM)にヒト培養骨膜細胞1×100000個を浸潤させ、これをポリ乳酸シェルに入れ、ヌードラット頭蓋上に移植した。4週間の待機期間の後、肉眼的に骨形成が確認された。 【組織学的解析】適切な評価法を確立するため、非脱灰切片作成(川本法)の採用準備を進めた。 【細胞製造方法の改良】①安定した細胞製造の確立ならびに特性と細胞含有量の均質化を目的に、細胞を3cmデスク上で培養する方法を検討した。培養期間を5週間に延長することによって、3㎝の均一な大きさの細胞シートの製造が可能であることが示された。②培地の最適化を目的に基礎培地に含まれる成分の調整を行い、最低含量で最大の細胞増殖とこれまで同様の骨原性の性質を維持する培養製造方法の探索的実験を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験計画において投与法に変更を生じているものの、本年度の到達目標の一つである実験系の確立を完了し、加えて、細胞投与による結果の概要が得られ始めている。投与実験の手技についても、試行錯誤の末に安定した生着が観られるようになっており、今後の実験の実施において、必要な手技の獲得がえられた。
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Strategy for Future Research Activity |
確立した実験手技で2つの移植基材(RGDペプチドと脱灰骨基質(DBM))の培養骨膜細胞の投与における担体としての性能を検証する。それによってそれらの移植基材が培養骨膜細胞に及ぼす作用の生物学的なメカニズムを解き明かす。 合わせて、培養骨膜細胞自体の骨形成能のメカニズムの詳細を解明する。
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Causes of Carryover |
主たる研究内容については予定通り実施されているが、旅費あるいは消耗品費において、予定する学会参加や材料の変更の結果、必要額の余剰が生じたと考えられる。
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Research Products
(4 results)