2022 Fiscal Year Research-status Report
垂直的骨造成のための細胞誘導因子徐放ハイドロゲルによる自己組織再生誘導
Project/Area Number |
22K10047
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
馬場 俊輔 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (40275227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 典也 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (20228430)
本津 茂樹 近畿大学, 生物理工学部, 研究員 (40157102)
城 潤一郎 大阪歯科大学, 歯学部, 准教授 (60511243)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 自己組織再生誘導法 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯科においては自己組織再生誘導法としてGuided Bone Regeneration法が行われているが、骨の造成量には限界がある。現在、体内に存在している細胞の動きをコントロールして、自己組織再生誘導を実現する再生治療の試みも始まっている。本研究ではStromal cell-derived factor-1徐放ハイドロゲルを歯槽骨欠損部位に填入し骨、歯根膜、セメント質の前駆細胞を呼び寄せ、独自に開発した成長因子保持細胞遮断膜から成長因子を呼び寄せた細胞に作用させ効果的な歯槽骨再生をめざす。 骨と類似した弾性率をもつポリエーテルエーテルケトン(PEEK)へ薬物徐放能を付与することを試みた。サンドブラストにてPEEKの表面処理を行った後、ドーパミンを添加してPEEK表面へポリドーパミン層を形成させた。ポリドーパミン被覆PPEKへゼラチン水溶液を加え、グルタルアルデヒドにて架橋することで、ゼラチンハイドロゲルが化学結合されたPEEKを得た。走査型電子顕微鏡、フーリエ変換赤外分光法、およびX線光電子分光法等を用いて、PEEKへのゼラチンハイドロゲルの結合を確認した。 成長因子保持GBR膜の作製も行った。GBR膜には吸収性の長期間の吸収期間を有する完全化学合成ポリマー「L-ラクチド-εカプロラクトン」共重合体膜を用いる。小型Er:YAG アブレーションユニットを用いて成膜を行った。膜の評価は走査型電子顕微鏡、X線回折、エネルギー分散型X線分析で行い、Er:YAG-PLD法によりPCL膜ににHApがコーティングされていることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ポリドーパミン被覆PPEKへゼラチン水溶液を加え、グルタルアルデヒドにて架橋することで、Stromal cell-derived factor-1を徐放可能なゼラチンハイドロゲルが化学結合されたPEEKを得たから。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、ゼラチンハイドロゲル結合PEEKにおける細胞増殖因子の徐放化能、細胞親和性、骨分化誘導能などについて調べていく予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスによって、学会発表ができず旅費が使用できなかった。次年度は学会発表を積極的に行い、大学院生への謝金も予定している。
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