2022 Fiscal Year Research-status Report
超高齢社会におけるプラーク制御法の確立-活性酸素を応用したバイオフィルム不活化-
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22K10050
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
白土 翠 東北大学, 歯学研究科, 助教 (60708501)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宍戸 駿一 東北大学, 歯学研究科, 助教 (20850613)
中村 圭祐 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (30431589)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 過酸化水素光分解 / バイオフィルム / 根面う蝕 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は 、過酸化水素光分解殺菌技術を新しいプラーク制御法として確立するためのデー タ構築を目的として実施している。2022年度は、主に研究に用いるバイオフィルム(=プラーク)モデルの検討および殺菌効果の検証を計画していた。 バイオフィルムモデルについては、当初計画していたハイドロキシアパタイトディスク(歯の構成成分)を用いるのではなく、牛歯の歯根部をサンプルとする根面う蝕を想定したモデルを用いる実験の検討を行い、予備試験を進めた。近年では、高齢者の残存歯数増加に伴う根面う蝕の増加が問題となっており、本変更により更に社会のニーズに沿った研究成果が得られると考えている。培地の選定、多菌種バイオフィルム形成に用いる菌種の検討、培養時間等の条件設定を整えることができた。 一方で、これまで共同研究を行ってきたイエテボリ大学(スウェーデン)にてヒト口腔内からプラークを採取し、殺菌試験ならびに組成分析を行う機会を得ることができた。計画では2023年度中盤以降、日本で実施する予定であった研究内容に合致するものである。オンラインにて、先方と十分なディスカッションを重ねてプロトコールを作成し、本格的な実験実施の準備ならびに一部実験の実施のため渡航した。本実験では、候補者に事前に口腔内の細菌検査を受けてもらい、う蝕リスクが高い(=う蝕病原細菌の保有数が多い)と判定された者を被検者とした。したがって、実際に口腔内で形成されたう蝕病原性バイオフィルムに対する過酸化水素光分解殺菌技術の効果を検証できると考えている。現在、実験は進行中であるが、ポジティブな結果が得られている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
上記実績報告でも示した通り2022年度に計画していた内容に一部変更はあったものの、一方で2023年中盤以降から計画していた研究を進めることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度に得られた結果をもとに、in vitroバイオフィルムモデルを用いた実験を進める。また、イエテボリ大学で現在進行中のヒト口腔内バイオフィルムを用いた実験についても、引き続き必要なデータを得てデータ分析を行う。
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Causes of Carryover |
当初の計画から一部変更があり、それに伴い使用する物品等にも変更が生じたため。2022年度に変更に関する予備試験データが概ね得られたので、未使用分は得られたデータをもとにした本試験に充てる。2023年度分として使用を計画していた分については当初の計画通りの使用を考えている。
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