2022 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of Oral Hypofunction in Elderly Heart Failure Patients and Identification of Issues for Dental Intervention
Project/Area Number |
22K10072
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
岩佐 康行 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (60551471)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 高齢者 / 心不全 / リハビリテーション / 口腔機能 / 栄養 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目標は、心臓リハビリテーションを目的に入院した高齢心不全患者を対象として、口腔機能低下の実態調査および歯科的介入の課題抽出を行うことである。研究期間は2022年度~2024年度の3年間で、単独施設(A病院)における調査から3つの課題を計画している。その成果は、医科歯科連携による良好な医療の提供に繋がるものと考えている。 しかしながら、COVID-19が2022年度も流行していたことから、A病院では心臓リハビリテーション患者が減少するなどして調査をほとんど実施できなかった。このために「課題1:高齢心臓リハビリテーション患者における口腔機能低下の実態調査」は2022年7月~2023年6月までの2年間で実施する計画であったが、1年延長して行われる可能性がある。また、「課題2:心臓リハビリテーションと口腔機能に関する検討」、および「課題3:心臓リハビリテーション患者における歯科的介入の課題抽出」についても、課題1の対象者について分析・検討を行う予定であったことから実施が遅れている状況である。 以上のように、初年度の研究実施は計画よりも遅れており、現時点における実績は少ない。そこで、A病院で過去5年間に心臓超音波検査を行った患者約4000例を対象とした後ろ向きコホート研究を行うこととしている。具体的には、心臓超音波検査を行った患者のうちで歯科受診歴のある者について、カルテより現在歯数などの口腔内の状況を調査する。さらに機能的自立度評価表(FIM)の結果や栄養状態、および生命予後などについても調査を行い、これらと口腔内の状況との関連について統計学的に検討を行うものである。本来の目的である口腔機能は含まれないが、高齢心不全患者における口腔と全身状態の関係について何らかの示唆が得られるものと考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
「研究実績の概要」で述べたように、2022年度は対象者のリクルートがほとんど行えなかったことから研究の進捗は計画よりも遅れている。しかしながら、2023年5月8日にCOVID-19の扱いが2類相当から5類に移行したことで、現在は「課題1:高齢心臓リハビリテーション患者における口腔機能低下の実態調査」を実施できている。 また、「心臓超音波検査実施患者を対象とした後ろ向きコホート研究」についてもデータを収集中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
「課題1:高齢心臓リハビリテーション患者における口腔機能低下の実態調査」について、対象者のリクルート成功率を高くしてデータ収集を急ぐ予定である。そのうえで、データの解析も早めに行って課題2および課題3までを進め、学会発表および論文投稿を3年の期限内に行う予定である。 また、「心臓超音波検査実施患者を対象とした後ろ向きコホート研究」については課題1-3に先行して学会発表および論文投稿を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
2022年度は、先行研究で使用されている超音波画像計測装置を購入予定であったが、製造中止となったために代替装置を購入した。この代替装置は購入予定であった装置と比べて操作性に劣るものの、金額は約60万円安く購入できた。また、COVID-19の流行により口腔機能低下の実態調査が行えなかったことで、これに関連する消耗品等の購入費、研究協力者への謝金などの出費も抑えられた。さらに情報取集のための学会出張も控えたため、こうした予算も使用することがなかった結果、使用計画との差が生じた。 2023年度は口腔機能低下の実態調査を実施するために、消耗品等の購入を予定している。また、予算の都合でリース使用を検討していた統計解析ソフトの購入も検討している。その他、心不全リハビリテーションあるいは栄養に関する学会等に参加して情報収集を行うなど、予算を有効に使用させていただく予定である。
|