2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K10077
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
香川 和子 広島大学, 病院(歯), 歯科診療医 (60432671)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 泰彦 広島大学, 医系科学研究科(歯), 准教授 (00253097)
竹内 真帆 広島大学, 病院(歯), 助教 (00397944)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 抗菌活性 / リチャージャブル / 義歯 / 塩化セチルピリジニウム(CPC) / モンモリロナイト |
Outline of Annual Research Achievements |
抗菌剤の配合量には限界があるため、義歯床表層での長期間に及ぶ抗菌性能の維持は難しいことから、抗菌剤「塩化セチルピリジニウムモンモリロナイト(以下、CPC-Mont)」の抗菌活性リチャージャブル機能を利用することを着想した。すなわち、抗菌成分を配合した義歯保存液を併用し、表在性抗菌剤に抗菌成分を繰り返しリチャージすることで義歯床表層の抗菌性能を維持することとした。超微粉砕加工した平均粒径0.6~2.5マイクロメートルの抗菌活性リチャージャブル抗菌剤CPC-Montを義歯床用材料に配合し、抗菌成分配合義歯保存液を併用することで、義歯床表層で抗菌性能を長期間維持できる抗菌活性リチャージャブル義歯システムの開発を目指す。 2022年度は、CPC-MontをPMMA粉末に対して1および3重量%配合し、2種類の抗菌性義歯床用材料を試作した。試作品より抗菌成分CPCを14日間徐放させた後、0.05、0.5、1、2、5%CPCリチャージ溶液5種類に37℃、6時間浸漬した場合のCPCリチャージの可能性を検証した。その結果、試作品からのCPC徐放は14日間以降も続くことから、表在性CPC-Mont内の貯蔵CPC量とCPCリチャージ溶液との濃度勾配がCPCリチャージ動態に影響することが明らかとなった。現在、CPCリチャージが可能となるCPC徐放期間とCPCリチャージ溶液の濃度との組み合わせを探索中である。よって、抗菌性能の検証は一部しか実施できず、2023年度に延期することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度は、抗菌性義歯床用材料を試作し、抗菌性能および抗菌成分徐放特性を検証し、義歯床用材料への抗菌剤配合量の範囲を決定する予定であった。しかし、試作品の表在性CPC-Mont内の貯蔵CPC量とCPCリチャージ溶液との濃度勾配がCPCリチャージ動態に影響することが明らかとなり、CPCリチャージが可能となるCPC徐放期間とCPCリチャージ溶液の濃度との組み合わせを探索することに本年度を費やすこととなった。そのため、抗菌性能の検証は一部しか実施できず、2023年度に延期することとした。したがって、本研究課題の進捗状況は少し遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、2022年度の抗菌性能の一部検証を含め、JIS規格を用いた物性および安全性を併せて検証することで、抗菌性義歯床用材料の最終仕様を決定する。
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Causes of Carryover |
2022年度は、抗菌性義歯床用材料を試作し、抗菌性能および抗菌成分徐放特性を検証し、義歯床用材料への抗菌剤配合量の範囲を決定する予定であった。しかし、試作品の表在性CPC-Mont内の貯蔵CPC量とCPCリチャージ溶液との濃度勾配がCPCリチャージ動態に影響することが明らかとなり、CPCリチャージが可能となるCPC徐放期間とCPCリチャージ溶液の濃度との組み合わせを探索することに本年度を費やすこととなった。そのため、抗菌性能の検証は一部しか実施できず、2023年度に延期することとした。したがって、本研究課題の進捗状況は少し遅れている。2023年度は、2022年度の抗菌性能の一部検証を含め、JIS規格を用いた物性および安全性を併せて検証することで、抗菌性義歯床用材料の最終仕様を決定する。
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