2023 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of bone resorption mechanism around implants caused by microgap dissection and establishment of suppression method
Project/Area Number |
22K10080
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松崎 達哉 九州大学, 歯学研究院, 助教 (70736694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鮎川 保則 九州大学, 歯学研究院, 教授 (50304697)
松崎 麻貴 九州大学, 歯学研究院, 共同研究員 (50757987)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | マイクロギャップ / バイオメカニクス / メカノバイオロジー / インプラントコネクション |
Outline of Annual Research Achievements |
歯科インプラントにおけるインプラント体ーアバットメント間に存在するマイクロギャップの為害性は既知の事実であり、現在問題となっているインプラント周囲炎の発生と大きく関与していると考えられている。インプラント上部構造装着後(プロビジョナルレストレーション装着後)の機能負荷開始時点からマイクロギャップの影響が強く見られることから、機能負荷による応力の発生とマイクロギャップの離開は大きく関与していると考えられる。 昨年度は、本研究課題において、マイクロギャップが生じる因子をインプラントーアバットメントの連結機構及びインプラント上部構造装着後に付加される応力量に限定し、荷重負荷量の違いによるマイクロギャップの動態の変化について観察するという研究計画に基づいて実験を実施した。 静滑車によるインプラントーアバットメント連結体への荷重負荷装置を九州工業大学坂井准教授のご協力のもと製作し、インプラントーアバットメント連結部 のマイクロギャップの動態を実体顕微鏡にて観察および記録した。荷重負荷量を変化させることで、ギャップの離開量に変化が見られるが、ある一定の荷重量を超えた時点でマイク ロギャップの離開量はプラトーに達することが示された。 また、マイクロギャップの観察が容易なバットジョイントタイプのインプラント体について、インターナルコネクション・エクスターナルコネクションの2タイプについて荷重量の違いによるマイクロギャップ量の変化を観察し、コネ クションの形状やタイプの違いによってマイクロギャップ量に大きな差があることが判明した。 加えて今年度は現在主流に使用されるテーパーコネクションについて、締付けトルクの違いによりインプラント体に外開きの応力が発生することから、補綴装置の沈みが起こることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在主流のテーパーコネクションの接合部の観察が困難であったが、デジタル機器を用いたことでようやく沈み込み量の解析が行える事となり、これにより現存する3種類のコネクションの比較検討ができるようになった。 研究計画は概ね順調に進展していると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の実験により荷重負荷量によるギャップの離開量の変化について、ある一定の荷重量を超えた時点でマイクロギャップの離開量はプラトーに達することが複数のメーカーのインプラント体で示された。 また、マイクロギャップの観察が容易なバットジョイントタイプのインプラント体について、インターナルコネクション・エクスターナルコネクションの2タイプについて荷重量の違いによるマイクロギャップ量の変化を観察したが、2つのタイプによって大きな差があることが判明した。 次年度は本現象に対してより学術的な考察を加えるため、FEMモデルを作成し、連結機構の違いによって、どのような機序で本年度得られたようなマイクロギャップの離開量の違いが生じるのかをシミュレーションする予定としている。また、テーパーコネクションによるインプラントが外開きに受ける力、インプラント体にかかる主応力を考察するため、骨模型を用いたひずみ計測実験も考慮する。
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Causes of Carryover |
過去の科研からの引き継ぎ実験であり、手元に必要な材料が現存したため、計画より少ない支出であったが、計画どおりにすすめると今後今年度分を含め、予定通りの出費がかかることが予想される。
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