2022 Fiscal Year Research-status Report
Tooth regeneration by molecular targeted therapy using USAG-1 as a target molecule
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22K10185
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Research Institution | The Tazuke Kofukai |
Principal Investigator |
高橋 克 公益財団法人田附興風会, 医学研究所 保健・健康研究部, 研究主幹 (90314202)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 抗体製剤 / 歯の再生 / 第3生歯 |
Outline of Annual Research Achievements |
希少疾患先天性無歯症患者に対する先天欠如した永久歯の再生に関して、ヒト化抗USAG-1抗体の最終開発候補物TRG035を用いた安全性試験、血中薬物動態試験、臨床治験グレードのGMP製剤の開発等の前臨床試験は順調に進捗している状況です。現在のところ、次年度の臨床試験開始を目指しています。先天性無歯症マウス・ビーグル等の複数のモデル動物実験系では、欠如した永久歯の再生がすべて単回投与で有効性が確認されています。今回使用したUSAG-1中和抗体は、知財を取得済の5種類のマウス抗USAG-1抗体の中で、すでに16mg/kg複数回投与で有効性が確認された検討済で、論文報告を行っていない抗体に関して検討しました。現在のところ、フェレットの投与による第3生歯形成を確認する実験系において、今回新たに検討した抗体においてもすでに報告済抗体と同様に、単回投与で第3生歯の再生に関して、効果を確認することができませんでした。そこで、投与抗体濃度をこれまで先天性無歯症モデル動物の先天欠如した永久歯の再生において、単回投与にて用いてきた16mg/kgから32mg/kg, 48mg/kgと各2倍、3倍の濃度も検討しましたが、投与濃度を上げても現在のところ単回投与で明らかな有効性は確認されていません。また、第3生歯再生に必須の第3歯堤の残遺している時期を考慮し、投与時期に関しても、生後3週、5週、7週においてそれぞれ単回投与を行いましたが、異なる投与時期においても同様に、有効性を確認することはできませんでした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載した様に、知財を取得した各USAG-1抗体を用いて2022年度は、予定している①2生歯性のフェレットを用いた歯堤の退縮の時期の検討と②2生歯性のフェレットを用いたUSAG-1中和抗体の第3生歯形成の至適濃度、投与時期、投与頻度の検討を施行することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2生歯性モデル動物としてフェレットに加えて、ヒトに近い霊長類のカニクイザルの使用を検討する。必要となる研究経費が増大するため、本予算に加えてAMED等の大型予算の獲得を目指すとともに、産官学連携を積極的に推進する。また、申請書に記載した様に、知財取得した5個の各USAG-1中和抗体単独投与にて有効性が低い場合は、抗体同士の併用 による抗体のカクテル療法や、すでに有効性の確認されたUSAG-1siRNA(核酸製剤)の併用等の新たな方法も検討する。
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Causes of Carryover |
フェレットを実験動物として活用している他の産官学連携事業において、本申請を推進するために必要なフェレットの飼育費用はカバーすることができたため、本年度の研究を推進することができた。次年度以降も高額な費用を要する非齧歯類モデル動物の解析に有効活用する予定です。
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