2022 Fiscal Year Research-status Report
ミトコンドリアの正常化と癌関連線維芽細胞の再教育を目指した新規口腔癌治療法の開発
Project/Area Number |
22K10193
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
長谷川 巧実 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (50546497)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榊原 晶子 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (00569866)
明石 昌也 神戸大学, 医学研究科, 教授 (40597168)
武田 大介 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (80755637)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 口腔癌 / 炭酸ガス / 癌関連線維芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
癌細胞周囲に存在するさまざまな間質細胞の中には、癌関連線維芽細胞(Cancer-associated fibroblasts: CAFs)があり、癌のエネルギー代謝や悪性化に非常に重要な役割を果たしている。CAFsは、おもに正常線維芽細胞に由来し、周囲のがん細胞やCAFs自身のシグナルにより教育され活性化する。したがって、CAFsは癌治療における有効なターゲットとして近年注目されているが、活性化過程におけるCAFs内ミトコンドリアの関わりについては不明である。本研究の目的は、CAFs内のミトコンドリアをターゲットとし、CAFsの正常化やアポトーシスを誘導する新しい癌治療法の開発を目指すことである。①ヒト口腔粘膜由来線維芽細胞を扁平上皮癌株培養上清にTGF-β1を添加した培養液で培養し、CAF化を行った。②マウス背部にヒト口腔扁平上皮癌細胞および通常線維芽細胞もしくは上記で作成したCAFsを混合したものを皮下移植し、NF群、CAF群とし、実験中である。具体的には、5週齢のヌードマウス背部にヒト口腔扁平上皮癌細胞(HSC-3)および通常線維芽細胞(Normal fibroblasts: NFs)、もしくは上記で作成したCAFsを混合したものを皮下移植し、NF群、CAF群とする。③CAFs関連因子であるα-SMA, FAP, PDPN, TGF-βについてそれぞれ、real-time PCR, 免疫染色で確認を行った。NF群において、腫瘍径は経時的に上昇し、上記CAFs関連因子も経時的に上昇した。したがって、腫瘍実質成分である扁平上皮癌細胞と共移植されることにより、NFがCAFsへと転換されていく可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該計画に従い、順調に研究が遂行されているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、CAF関連因子の検討を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
物価上昇および円安に加え、初期費用としての物品費が予定より増加した。そのため、300,000円の前倒し支払い請求を行った。しかし、結果として、当初の予定より、1,960円の増加のみにとどまり、結果として、298,040円の次年度使用額が生じた。今後、当初予定の次年度計画に従い、使用していく。
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Research Products
(3 results)