2023 Fiscal Year Research-status Report
メカノセレクション仮説から迫る循環腫瘍細胞クラスターの特性解明
Project/Area Number |
22K10195
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
神力 悟 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (00583048)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 啓隆 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 科長 (60379849) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 転移・再発 / メカノバイオロジー / 循環腫瘍細胞 / ゲノム不安定性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、循環腫瘍細胞(CTC)クラスターに焦点を当てて、我々の提唱したメカノセレクション仮説を分子レベルで実証することで新たな診断・治療戦略の創出を目指すことを目的とする。 複数の頭頚部癌細胞株をFSS下(循環培養)もしくは静置条件下で浮遊培養した後に、経時的に特殊な金属フィルターを用いてシングル細胞、凝集体を単離した結果、循環培養によって、早期に核膜穿孔とともにI型インターフェロン関連因子の発現が誘導された。さらに、短時間であっても循環培養を経験した細胞では、後の2D培養においてDNA損傷や核膜穿孔、微小核の形成が誘導されることが判った。これら一連の変化は、シングルセルに顕著であり、クラスターとして循環した細胞ではほとんど認められなかった。また、循環培養中のクラスター集団では、小胞体局在分子の発現が高いことが判った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
FSS下での浮遊培養が核膜の穿孔とゲノム不安定性を誘導し、これが細胞クラスターでは回避されていると考えられた。これに関連しうる、遺伝子発現プロファイルの違いが抽出された。
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Strategy for Future Research Activity |
シングル細胞とクラスターで核膜への影響に違いが生じることが示唆されたため、得られた遺伝子発現プロファイルも確認しつつ、その分子メカニズムを明らかにする。
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