2023 Fiscal Year Research-status Report
種子島スタディー口腔から地域高齢者の健康寿命延伸を目指す官学連携縦断的機能評価ー
Project/Area Number |
22K10196
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
鈴木 甫 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (10623340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 卓也 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (30726758)
手塚 征宏 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (50759777)
網谷 真理恵 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (90574400)
網谷 東方 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 講師 (70535674)
中村 典史 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (60217875)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 通いの場 / オーラルフレイル / フレイル / サルコペニア / 口腔機能低下症 / 健康寿命 / 介護予防 / 種子島 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「通いの場」における「口腔機能低下予防・改善」を核とした介護予防事業を西之表市と協力して展開している。このプログラムは、口腔機能の維持及び改善を通じて、高齢者のフレイルの予防、介護必要度の軽減、そして健康寿命の延長に寄与することを目的とし、科学的手法を用いてその効果を検証している。さらに、本研究は個々の高齢者の生活の質やフレイルの進行において、社会性、心理状態、口腔健康、栄養状態、身体機能の各側面がどのように互いに影響し合っているのかを探求している。個々人のフレイルの特徴には明確な「濃淡」が存在し、これが健康状態や介護予防における介入の効果に影響を与えることが考えられる。これにより、より個別化された介護予防策を設計するための基礎データを提供することを目指している。本年度は、新型コロナウイルス感染症の影響で一時中断されていた西之表市での健康調査を通じたデータ収集を再開した。さらに、参考となる別のコホート研究における健康データも並行して解析を実施し、その結果を最近の学術論文(Relationship between the severity of pre-frailty and the degree of adaptation of Ninjin’yoeito (NYT) on pre-frailty. Front. Aging 5:1304217.doi: 10.3389/fragi.2024.1304217)に報告した。加えて、本年度は、都市部と比較して高齢化が進む地域の高齢者の生活状況を比較検討した。その結果、都市部の高齢者は残存歯数が多く、発音の明瞭さが保たれていること、「/ka/」という音がしっかりと発声できること、上腕周囲長が短い傾向が見られる一方で、社会的交流が少なく、タンパク質の摂取頻度が高いという特徴が明らかとなり、地域ごとの高齢者の健康状態や生活習慣の違いを理解する上での重要な示唆が得られた。現在、追加データに基づく包括的な解析を行い、その成果を学術誌へ投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度前期まで、現地種子島での健康調査を主とした介護予防事業開催が中止となっていたため。現在調査は再開している。
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Strategy for Future Research Activity |
西之表市と連携した縦断的機能評価を継続する。一部健康調査を実施した地域については、「口腔機能低下予防・改善」に着目した介護予防事業のモニタリングを実施する。モニタリングには、下記プロセス指標およびアウトカム指標について評価を行う。 【プロセス指標】「通いの場」への65歳以上参加者数及び割合および状況、評価方法:年度毎の時系列評価・地域間比較・介護予防活動展開(実施回数)状況 【アウトカム指標】65歳以上新規要支援・要介護認定申請者数及び割合、フレイル状態、評価方法:年度毎の年間新規認定者およびフレイル状態の状況の集計およびと時系列評価、地域間の比較を行い、介護予防活動状況の取組状況と生活支援の充実状況について評価を行う。
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Causes of Carryover |
コロナ感染に伴う実地調査が延期となり、旅費の計上が少なかったため次年度使用額が生じたが、次年度予算と合わせて当初の計画通り使用予定である。
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