2022 Fiscal Year Research-status Report
Actionable遺伝子変異に基づく新たな口腔扁平上皮癌治療戦略の開発
Project/Area Number |
22K10200
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
莇生田 整治 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (80296706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 章悟 日本大学, 歯学部, 助教 (20784044)
黄地 健仁 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (30803564)
吉川 桃子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師(非常勤) (50570967)
佐谷 秀行 藤田医科大学, がん医療研究センター, センター長 (80264282)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 口腔扁平上皮癌 / 遺伝子変異 / CD44v |
Outline of Annual Research Achievements |
現在のがん治療はいまだ多くの領域で臓器特異的であり、腫瘍の性質ではなく発生部位で治療法が決まっている。このため、腫瘍の悪性度や遺伝子変異に基づいた個別化治療が期待されている。申請者らはこれまでに、癌の悪性度や治療抵抗性に関わるEMTおよびがん幹細胞マーカーCD44vの口腔扁平上皮癌における機能的役割の解析を進めてきた。また最近では実臨床検体のゲノム解析によって、Actionable遺伝子変異の数と悪性度の間に相関性があることを見いだした。そこで本研究では、Actionable変異数が口腔癌の病態や予後を規定する因子となり得るかを明らかにするために、Actionable変異数の異なる検体を用いてCD44v及び他の治療抵抗性関連分子群(xCT、ALDH) の発現解析を行うと共に、実臨床での予後を確認する。さらに、Actionable変異というゲノムレベルの変化とCD44v, xCT, ALDHなど生物学的な治療抵抗性分子の発現を統合することにより、治療開始前に再発・転移や化学放射線療法の有効性を予測できる個別化治療法の確立を目指す。また、標準治療抵抗性となった再発転移口腔癌に対して、xCT阻害剤やALDH阻害剤など新たな薬剤治療の可能性について検討する。 今年度は、実際の臨床症例において、これまで行ってきたActionable変異数と悪性度(WPOI分類、tumor budding)との相関性に加えて、Actionable変異数と予後(全生存率:OSや、再発・転移などを示す無増悪生存期間:PFS)との相関性について検討を行っている。また、化学療法・放射線治療によるActionable変異の変化についても検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臨床症例において、これまで行ってきたActionable変異数と悪性度(WPOI分類、tumor budding)との相関性に加えて、Actionable変異数と予後(全生存率:OSや、再発・転移などを示す無増悪生存期間:PFS)との相関性について検討を行っている。臨床症例のがんゲノム検査は2018年から開始しており、今回の研究期間でそのOSやPFSが判明する。
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Strategy for Future Research Activity |
化学療法・放射線治療によるActionable変異の変化についての検討を行い、Actionable変異および遺伝子発現プロファイルの変化を取得する。これによって治療抵抗性に関与するドライバー遺伝子やその関連遺伝子を探索する。また、Actionable変異数の異なる検体から初代培養細胞やマウスモデルを作製することで、Actionable変異数と腫瘍形成能および治療抵抗性の関連性について検討を行っていく。
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Causes of Carryover |
今年度は遺伝子パネル検査の解析が主体となっており、抗体や試薬などの購入が少なかったため次年度使用額が生じた。次年度以降は抗体や試薬、動物購入費用に使用していく予定である。
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Research Products
(1 results)