2022 Fiscal Year Research-status Report
ゲノム編集とscRNA-seq解析を用いた天疱瘡や類天疱瘡発症の分子病態解明
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22K10209
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
古村 南夫 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (10315070)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 自己免疫水疱症 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
自己免疫水疱症の発症に関わる自己抗体が標的とする表皮細胞の細胞間結合蛋白抗原の遺伝子をゲノム編集でノックアウトした粘膜/皮膚由来ケラチノサイトを構築し、最新鋭の次世代シーケンサーによるシングルセルRNAシークエンシングにて包括的RNAトランスクリプトーム解析することを目的とする。 CRISPR/Cas9 システムを用いたゲノム編集により、自己免疫水疱症の抗原であるデスモグレイン3をノックアウトし、口腔粘膜3次元のケラチノサイト(初代培養正常細胞/HaCaT細胞)培養系を構築した。デスモグレイン3の発現消失とその影響について、蛍光抗体法や免疫ブロット法により確認した。デスモグレイン3のCas9-gRNAプラスミドは本学で既に作製されたものを用いた。自己免疫水疱症天疱瘡のもう一つの抗原であるデスモグレイン1のノックアウトについては確立できていないため、今後確立手段についてさらに検討を重ねる必要がある。 ノックアウト細胞は2次元および3次元培養にて、患者血清抗体やモノクローナル抗体を添加したものと無添加群を対照として、シングルセルRNAシーケンシングにてmRNAとmiRNA発現プロファイルを確認後、相互比較し包括的トランスクリプトーム解析を行う予定としており、アウトソーシングでの解析法などの詳細についての調査および準備を始めた。アウトソーシングでの解析法については、費用やサポート体制についての詳細に関する調査を今後さらに進めるとともに、解析事項の必要性の検討を行い解析対象の絞り込みなどによって、研究を推進していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ゲノム編集でノックアウト実験にて当初計画より遅れが生じている。自己免疫水疱症の抗原であるデスモグレイン1のノックアウトについてその原因を検討中である。シングルセルRNAシークエンシングにて包括的RNAトランスクリプトーム解析についても、諸物価の高騰により見積額が上昇しており、解析が予定通り進めていけるかどうかを検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
アウトソーシングでの解析法などの詳細についての調査をさらに進めるとともに、解析事項の必要性などを考察したうえで、解析対象の絞り込みなどによって、研究を推進できるようにしていく予定である。
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Causes of Carryover |
アウトソーシングによる解析費用が本年度研究費による実行可能な上限を超えたため、次年度使用額にすることにより翌年度分として請求した助成金と併せて研究を進めていくため。
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