2023 Fiscal Year Research-status Report
転移学習を用いた唾液腺癌の組織学的悪性度の再分類の試み
Project/Area Number |
22K10210
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
佐藤 由紀子 公益財団法人がん研究会, 有明病院 細胞診断部, 副医長 (30365712)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | FISH / 唾液腺腫瘍 / 転移学習 / 悪性度分類 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、組織標本を用いて予後予測システムを構築することにある。これまでの唾液腺腫瘍における悪性度分類は主観的な形態認識に頼った分類となっており、本研究の主たる研究者の参加した腺様嚢胞癌の論文において、3名の病理医間で悪性度分類は一致しなかったという事実がある。腺様嚢胞癌の悪性度分類に用いられる要素の1つに充実性成分の比率がある。組織標本のデジタル画像で充実性成分の比率を決定することで客観性や再現性を持たせることが可能になると考えている。これらの検討の前準備のために、本年は撮影倍率や画質などの検討を実施した。現存する顕微鏡カメラ画質では不十分と判断して、4Kカメラを設置し、画像解析に最適な条件を検討している最中である。 本年度は低悪性度唾液腺癌の臨床的な検討を詳細な病理検討を加えたうえで解析した結果を、学会発表したものを頭頸部癌学会雑誌に論文投稿中である。また、治療と診断のためのバイオマーカー検査について第42回日本口腔腫瘍学会に報告した。高悪性度癌の診断に有用なマーカーと治療標的になるマーカーを検討しており、その検討は症例蓄積中である。昨年度より検討中の硝子明細胞癌に関しては、臨床医とともに予後の解析を実施し報告した後に、症例を追加して予後を分ける組織学的特徴について抽出を試みる予定である。 また、細胞診画像と組織画像との関連付けを行うことで、細胞診検体の画像から今回形成する予後予測システムを利用できる方向を目指す予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
組織標本のデジタル画像の解析は一般的にWhole slide imagingを基本として進んでいるが、取り込みの機器のピント調整が難しい場合がある(全自動という簡便さと引き換えに調節が不能である)。分割した画像のピントを合わせ使えるパッチ数を増やすために、個々に顕微鏡カメラで撮影する検討を行ってきた。現存のカメラでは画質が若干劣るため、新たに4Kのカメラを設置し画像撮影条件を検討している。撮影用のアプリなどの仕様がこれまでのものと異なり、条件の細かな設定が可能なだけに検討項目が増えて、至適条件について決定している。
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Strategy for Future Research Activity |
当病理部にはデジタル病理画像での報告を実施している実績をもつ研究者がおり、協力が得られる状況にある。これまでに先行して実施している研究に倣って、今後の方針について助言をもらい実施する予定である。
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Causes of Carryover |
症例の抽出および追加が遅れており、来年度に解析を予定しているため。
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[Journal Article] Prognostic value and clinicopathological roles of the tumor immune microenvironment in salivary duct carcinoma2023
Author(s)
Hirai H, Nakaguro M, Tada Y, Saigusa N, Kawakita D, Honma Y, Kano S, Tsukahara K, Ozawa H, Okada T, Okami K, Yamazaki K, Sato Y, Urano M, Kajiwara M, Utsumi Y, Shimura T, Fushimi C, Shimizu A, Kondo T, Imanishi Y, Sakai A, Sato Y, Togashi T, Hanazawa T, Matsuki T, Yamazaki K, Nagao T.
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Journal Title
Virchows Archiv
Volume: 483
Pages: 367~379
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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