2022 Fiscal Year Research-status Report
乳歯歯髄幹細胞由来細胞外小胞を用いた骨粗鬆症の骨質改善
Project/Area Number |
22K10215
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Research Institution | National Hospital Organization Nagoya Medical Center |
Principal Investigator |
上嶋 伸知 独立行政法人国立病院機構(名古屋医療センター臨床研究センター), その他部局等, その他 (80877069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 陽 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (80772425)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 骨粗鬆症 / 細胞老化 / 細胞外小胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
幹細胞由来のコンディショニングメディウム(CM)は,マウスにおいて骨粗鬆症の予防効果が実証されているがそのメカニズムは解明されていない。今回,卵巣摘除マウスモデルにおいて,幹細胞由来CMが幹細胞の老化に影響を与えることで骨粗鬆症を予防できるかどうかを検証した。 In vitroで,若い幹細胞由来のCMと老化した幹細胞のCMを採取,交換し幹細胞と共培養した後,細胞増殖アッセイ,ポリメラーゼ連鎖反応,老化関連酸性β-ガラクトシダーゼ染色を行った。次に骨粗鬆症に対するCMの効果を検証するため,C57BL/6Jマウスの卵巣摘除モデルを作成し,CMまたはPBSを投与した。16週後,大腿骨と椎体(L5)をマイクロコンピューター断層撮影で測定した。その後大腿骨を摘出し,細胞老化関連分泌形質およびサイクリン依存性キナーゼの発現を遺伝子レベルおよびタンパク質レベルで測定した。In vitroでは若い幹細胞由来CMは幹細胞の必須細胞機能を向上させ,細胞の老化を抑制した。一方,老化した幹細胞由来のCMは幹細胞の必須細胞機能を低下させ,細胞の老化を促進した。In vivoでは,CMの投与により骨吸収が緩和され,骨微小環境における幹細胞の老化の蓄積が抑制された。 以上より,細胞性老化幹細胞培地は幹細胞の機能を低下させ,骨粗鬆症の病態を抑制することが明らかとなった。しかし,具体的な分子メカニズムはまだ正確に解明されておらず、さらなる実験が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和4年度は乳歯歯髄幹細胞が入手できなかった。 このため,商用の歯髄幹細胞を培養し,乳歯歯髄幹細胞で行う予定であった研究(培養上清からEVsの単離,表面抗原マーカーの確認,粒径計測,表面形状の観察)を予備実験として行い,それぞれの手技などを確認した。 また,幹細胞由来EVsが骨組織に取り込まれるかの確認にも時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は乳歯歯髄幹細胞からのEVsの単離を行い,性状を確認する。また骨組織へのEVsの取り込みの確認を引き続き行う。 次に,卵巣摘除モデル(OVX)ラットより採取したMSCsの細胞老化ならびにEVsの影響を調べるため,OVXラットを作製し骨密度の減少を確認後,大腿骨骨髄を採取する。採取後培養したMSCsの細胞老化を老化関連酸性β-ガラクトシダーゼ染色,DNA損傷のマーカーとして用いられているγH2AXの免疫組織化学染色などを行いて確認する。 採取したMSCsとDDPSCs由来EVsを共培養し,MSCsの分化能,遊走能,増殖能を評価する。骨芽細胞,脂肪細胞,血管内皮細胞へ分化誘導しアリザリンレッドS染色,オイルレッドO染色,抗CD31抗体染色により評価する。またGap Closureアッセイで遊走能を,MTT試験で増殖能を評価する予定である。
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Causes of Carryover |
商用の乳歯歯髄幹細胞の購入経費に充当していたが,購入できなかったため。 今年度も購入できない場合は別の細胞を購入する。
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