2022 Fiscal Year Research-status Report
オステオサイトの生物学的特性からヒト骨組織の多様な構造特性を説明する試み
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22K10216
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮川 和晃 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教 (50635381)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 骨細胞 / 皮質骨 / 海綿骨 |
Outline of Annual Research Achievements |
哺乳類の骨組織を組織学的に分類すると、高度に石灰化した層板状の緻密構造によって骨の外側を構成する皮質骨と骨の内側において網目状の梁構造を形成する海綿骨に分類される。いずれの構造においても骨細胞は骨基質中に埋没し、樹状突起を伸長させることで骨基質中にて複雑なネットワーク構造を形成している。皮質骨では骨細胞のネットワークが複雑であり体重負荷に直交するように整列し、機械的刺激に対して効率よく応答していると考えられている。一方、海綿骨は皮質骨よりも石灰化度は低く、骨細胞はランダムに埋没しているように観察される。しかしながら、骨はどうして構造の異なる骨組織がつくられ、それぞれの骨基質に埋没している骨細胞は同じような役割を示すのかという点は明らかになっていない。マウスは個体が小さく皮質骨と海綿骨の骨細胞を単離することは極めて困難であり、リモデリング動物であるヒトとは異なって増齢的に個体の大きさが大きくなるモデリング動物であることが問題の解決を難しくしており、骨細胞の多岐にわたる機能に関しては未だに画一的な理解でとどまっている。そこで我々は、非症候性の口腔外科疾患における自家骨移植術で用いられた余剰検体を用いることで、皮質骨と海綿骨の骨細胞は単に骨芽細胞からの分化度が違うだけなのか、骨細胞の性質そのものが異なるのか、生体恒常性維持においてどのような影響を与えているのか、という点を明らかにしてゆく試みを始めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本助成を受けた直後にヒト大阪大学 歯学研究科・歯学部附属病院 倫理委員会の承認を受けたことにより、トラブルなく順調にヒト骨組織の採取を行うことができた。これにより、申請者がマウスの骨組織にて確立した骨細胞単離法手技を基盤としたヒト初代骨細胞の単離法を確立することに成功し、初年度に予定していた計画通りに研究が進んでいると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、皮質骨と海綿骨からの初代骨細胞を用いて網羅的な遺伝子発現解析を実施してゆく予定である。
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Causes of Carryover |
今年度の実験が比較的順調であったこともあり、本年度研究費の残額は次年度使用額として繰り越すこととした。
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Research Products
(1 results)