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2022 Fiscal Year Research-status Report

骨吸収因子に着目したエナメル上皮腫治療の新戦略

Research Project

Project/Area Number 22K10227
Research InstitutionWakayama Medical University

Principal Investigator

松村 達志  和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (70432648)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 高畠 清文  岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (70736537)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords歯原性腫瘍 / 骨吸収因子
Outline of Annual Research Achievements

申請者らはこれまでに歯胚発生過程に関する研究を行い、その結果、発育歯胚および歯胚器官培養において歯胚内部への周囲骨侵入を歯原性上皮が発現する副甲状腺ホルモン関連ペプチド(PTHrP)が阻害しているという研究成果を得ている。さらに、エナメル上皮腫における腫瘍細胞の骨侵入について組織学的検討を行った結果、エナメル上皮腫による顎骨吸収では破骨細胞がほとんど観察されず、他の腫瘍とは異なる骨吸収機構が存在する可能性があるとの研究成果を得ている。そこで本申請課題では、エナメル上皮腫での骨侵入因子の発現阻害により周囲骨の病巣内への侵入を促し、腫瘍の根治のみならず骨造成促進するという外科的手法を用いないエナメル上皮腫の新規治療法の開発に向けた基礎的研究を行う。
2022年度は本申請課題に使用する細胞樹立と腫瘍実質と間質の相互作用の確認を行う計画であった。
・腫瘍実質、間質細胞樹立:手術材料からエナメル上皮腫を無菌的に摘出し、細切後Collagenase とDyspase(各1mg/ml)溶液にて37℃、1時間処理を行い、その後10%FBS D-MEM培地で培養する。エナメル上皮腫細胞と間質細胞はシャーレとの接着性の強さの違いを利用し、分離した。腫瘍間質細胞は分離後、単独にて培養および継代可能であったが、腫瘍実質細胞は単独培養は可能であったが、継代できなかった。
・腫瘍実質と腫瘍間質の相互作用確認:手術材料から樹立したエナメル上皮腫腫瘍細胞の代替としてAM-1を使用し、石灰化培地で培養した間質コントロール細胞(KUSA細胞)をコラーゲンゲル中で3D培養すると、生体内に類似した腫瘍胞巣形成が観察された。
以上のように2022年度は本申請課題の基礎となる腫瘍間質細胞樹立とAM-1とKUSA細胞(腫瘍間質コントロール細胞)を用いた3D培養による腫瘍実質と腫瘍間質の相互作用の実験系確立を行なった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本申請課題の要である腫瘍間質細胞の樹立と腫瘍実質と腫瘍間質の相互作用については確認できたため。

Strategy for Future Research Activity

手術材料から樹立した腫瘍細胞は継代できなかったことに対しては、腫瘍細胞にROCK阻害剤Y-27632を添加、腫瘍細胞のアポトーシスを抑制することで対応する。この方法で樹立困難な場合には、hTERTにより不死化を検討する。

Causes of Carryover

他施設との共同研究であるが、昨今の感染対策上、研究打ち合わせ困難であったため、実験計画としては遅れが生じたため。今後、密な連絡をとりながら、当初の研究計画で行う予定である。

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Published: 2023-12-25  

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