2022 Fiscal Year Research-status Report
マウス骨細管超可視化による骨細管ネットワーク構築・維持のメカニズムの解明
Project/Area Number |
22K10244
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村田 有香 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教 (90755068)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
犬伏 俊博 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (30550941)
佐々木 淳一 大阪大学, 大学院歯学研究科, 講師 (50530490)
山城 隆 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (70294428)
上岡 寛 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (80253219)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 骨細胞 / 骨芽細胞 / 骨細管ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
骨細胞は、神経細胞様の多数の突起を伸ばして骨細胞間あるいは他の細胞とのネットワーク(骨細管ネットワーク)を形成していることが知られている。骨細胞は、骨基質内で骨細管ネットワークを介してメカニカルストレスを感知し、様々な遺伝子やタンパクを発現して骨代謝を調節することで、骨組織内における細胞コミュニケーションの中心的役割を果たしている。しかしながら、骨細胞のメカニカルストレス感受・応答機構の詳細は依然として未解明のままである。 これまでに、研究代表者は、マウスの頭蓋冠を染色して骨細管ネットワークを可視化し、骨細胞が突起を伸長し細胞間で連結している様態を視覚的に観察することに成功した。この技術を用いることで、骨細胞突起ネットワークを介した細胞間のコミュニケーションの異常や、骨細管ネットワークの形態の変化を観察することが可能となった。しかし、骨細胞突起ネットワークが構築・維持されるメカニズムや、骨細胞突起ネットワークの異常が骨量の低下や骨系統疾患にどのように関わっているかは不明であった。 本研究は、骨細管ネットワークがどのような分子機構により構築されるのかを明らかにすることを目的とし、マウス骨細管の超可視化により骨細管ネットワーク構築および維持のメカニズムを探索することとした。 本年度、我々は、頭蓋冠に特殊な処理を行い、頭蓋冠における骨細胞を観察した。対照群では骨細胞から多数の骨細胞突起が伸びており、周囲の骨細胞と突起が連結していることがわかった。一方、骨細胞特異的βカテニンノックアウトマウスでは、骨細胞の形態が一様ではなく、骨細胞突起の短小化を認めた。定量を行った結果、骨細胞特異的βカテニンノックアウトマウスでは骨細胞突起の数、長さ、細胞突起の分岐の数が有意に低下していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全体的にはおおむね順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの結果より、骨細胞間のコミュニケーションに異常が生じている可能性が示唆されたため、今後は、骨細胞突起間の連結部位に発現しているタンパクの発現について着目する。骨細胞特異的βカテニンノックアウトマウスを用いて、頭蓋冠における骨細胞突起間の連結部位に発現しているタンパクについて免疫染色を行い、骨細胞間の連結を定量することにより、骨細管ネットワーク構築・維持機構の解析を行う。
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Causes of Carryover |
本年度は物品費に使用する予定であったが延期となった。次年度は物品費および国内外の学会参加費に支出予定である。
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Research Products
(1 results)