2022 Fiscal Year Research-status Report
機能性アメロゲニンペプチドと幹細胞パラクライン作用を用いた歯根吸収予防法への展開
Project/Area Number |
22K10247
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
吉見 友希 広島大学, 病院(歯), 病院助教 (50707081)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 崇晴 広島大学, 病院(歯), 助教 (20806682)
國松 亮 広島大学, 医系科学研究科(歯), 准教授 (40580915)
角 伊三武 広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (50846847)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | アメロゲニン / 歯根吸収 / 幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯根吸収は、矯正歯科治療中に生じる医原性障害の一つとして挙げられる。高頻度に認められる副作用であるものの、その発症機序や治療法は未だ解明されていない。申請者らは、セメント質の再生には、口腔組織由来成分が有効と考えている。エナメル蛋白の一種であるアメロゲニンは、硬組織誘導効果を持つタンパク質である。また、乳歯歯髄由来間葉系幹細胞(stem cells from human exfoliated deciduous teeth: SHED)とその培養上清(SHED-CM)は、幹細胞の分泌するサイトカインのパラクライン作用により優れた骨再生能を有する。 本研究では、アメロゲニンの活性部位であるC末端側を持つ機能性アメロゲニンペプチドの硬組織誘導効果と、SHED-CMの優れた組織代謝活性能に着目し、歯周組織における代謝調節機構を解明するとともに、歯根吸収抑制作用について検証を行うことを目的としている。 現在のところ、in vitroにて、SHEDの細胞代謝調節機構における機能性アメロゲニンペプチドの影響について検討を行い、その成果について発表を準備中である。また、in vivoにて、SHED-CM添加が歯根吸収に与える影響について検討を行い、その成果については、発表を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、機能性アメロゲニンペプチドおよびSHED-CMが歯周組織構成細胞に対する影響について解明し、歯根吸収を積極的に予防する治療法を確立することを目的とした計画を立案している。2022年度には、機能性アメロゲニンペプチドのSHEDにおける細胞代謝絵の影響について検討を行った。また、SHED-CMをラットに添加し、実験的歯の移動時における歯根吸収に及ぼす影響について検討を行った。in vitroおよびin vivoにおいて、一定の成果が認められ、初期の条件検討は達成されており、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度では、機能性アメロゲニンペプチド添加が歯周組織構成細胞に及ぼす影響について、さらなる詳細な検討を行うとともに、機能性アメロゲニンペプチド添加が幹細胞上清に及ぼす影響についても検討を開始する。さらに、動物実験においてもさらなる条件設定を行い、機能性アメロゲニンペプチドと幹細胞上清の相互作用について検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究の進捗が概ね良好であり、条件検討に要する資材が予定よりもかからなかったため、また、施設使用料等の請求のタイムラグのため次年度使用額が生じた。2023年度では、アメロゲニンペプチドの合成外注量、動物実験にかかわる費用、また研究成果発表のための旅費および論文投稿料を計画している。
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[Presentation] 乳歯歯髄由来間葉系幹細胞および炭酸アパタイト担体を併用した骨再生治療への応用2022
Author(s)
Nurul Aisyah Rizky Putranti, 國松 亮, 力武 航大, 平木 智香, 吉見 友希, 中島 健吾, 阿部 崇晴, 柄 優至, 坂田 修三, 中谷 文香, 二川 浩樹, 谷本 幸太郎
Organizer
第81回日本矯正歯科学会
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