2022 Fiscal Year Research-status Report
海馬における記憶・学習機能の評価による、成長期咀嚼刺激回復の生物学的意義の検証
Project/Area Number |
22K10265
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
沖原 秀政 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (80754960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡 一平 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (10431941)
小野 卓史 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (30221857)
小海 暁 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (50431937)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 海馬 / 咀嚼刺激低下 / 記憶機能 / 学習機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,食べ物の軟食化とともに,軟らかい食品の摂取過多,食事時間の短縮,咀嚼回数の減少と咀嚼能力・口腔機能が低下し,歯列不正や顎変形症,顎関節症の発生に関与しているとの報告がある。咀嚼は食物摂取と消化という主要な機能に加えて、脳の記憶・学習機能を促進、維持する上で重要である。咀嚼機能障害は、末梢神経系だけでなく、中枢神経系にも影響を与えることが明らかとなっている。本研究の全体構想は「成長期マウスにおける、粉末飼料飼育から固形飼料飼育への変化が、海馬における記憶・学習機能低下を回復させること、および最適な咀嚼刺激回復の時期を明らかにすることにより、中枢神経系の観点から成長期における矯正歯科治療の有用性を明確にする」ことである。 昨年度は、実験設定として、生後3週齢の離乳直後のC57BL/6J雄マウスをランダムに4つのグループ(G1,G2,G3,G4 N=12)に分け、G1は固形飼料飼育の対照群、G2は5週齢まで粉末飼料飼育の後固形飼料飼育群、G3は7週齢まで粉末飼料飼育の後固形飼料飼育群、G4は粉末飼料飼育群とした。14週齢にてY字迷路試験及び受動回避試験を行い、記憶・学習機能を評価した。行動実験後、脳を摘出し海馬を分離後、BDNF及びTrk BのmRNA発現量をRT-qPCRで評価した(N=6)。また、Micro-CT線装置を用いて頭蓋骨と下顎骨の形態を評価した (N=6)。得られた結果は学会にて発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験データを揃え、その成果を学会にて発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの結果をまとめ、データの補足を行い、論文作成を行う。
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Causes of Carryover |
導入機器が当初想定した価格より安く導入できたため。翌年度分は生化学的解析に必要な実験機材に充てる。
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