2023 Fiscal Year Research-status Report
小児口腔内におけるヘリコバクター・ピロリ菌および歯周病原性細菌定着の関連性の追究
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22K10269
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鋸屋 侑布子 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教 (40803078)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門田 珠実 大阪大学, 歯学部附属病院, 助教 (10908643)
野村 良太 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (90437385)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ヘリコバクター・ピロリ菌 / 歯周病原性細菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ヘリコバクター・ピロリ菌と歯周病原性細菌叢の関係について検討することを目的として行っている。ヘリコバクター・ピロリ菌は胃がんの原因菌であり、小児期に口腔を介して感染が成立すると考えられている。これまでの研究により、ピロリ菌の定着において齲蝕が重要なファクターの一つであることが示唆されている一方で、成人においては歯周病原性細菌との関連が研究されているが、小児口腔内における関連については分かっていない。 本研究では、小児の唾液およびデンタルプラークサンプルから細菌DNAを抽出し、PCR法によりピロリ菌の検出を行うとともに、代表的な歯周病原性細菌10菌種の検出を行った。その結果、全サンプル(n=21)の19%で4菌種、81%で6菌種以上の歯周病原性細菌が検出された。歯周病原性細菌が6菌種以上検出された群の76.5%が6歳以上であり、4菌種以上検出された群における50%より多かったものの、有意差は認めなかった。歯周病原性細菌が4菌種検出された群の中ではピロリ菌が75%で検出され、6菌種以上検出された群で検出された29.4%より多かったが、有意差は認めなかった。歯周病原性細菌の中で、特に病原性が高いレッドコンプレックスと呼ばれる3菌種のうち、ピロリ菌陽性者では全て1菌種しか検出されなかった。一方で、ピロリ菌陰性者では46%の割合で2菌種検出され、ピロリ菌陽性者と比較して有意に高かった。これらの結果から、歯周病原性細菌種とピロリ菌の定着に関連がある可能性が考えられるが、今後さらにサンプルを増やして詳細な分析を進めていく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、小児の唾液およびデンタルプラークサンプルから細菌DNAを抽出し、PCR法を用いてピロリ菌および歯周病原性細菌の検出および分析を進めており、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
小児口腔サンプル数をさらに増やし、ピロリ菌の定着と歯周病原生細菌叢の関係について検討を行う予定である。 具体的には、本学歯学部附属病院小児歯科を受診し、同意を得られた1歳~15歳までの小児患者を対象として唾液およびデンタルプラークを採取する。採取した各サンプルから細菌DNAを抽出したのちに、PCR法によりピロリ菌の存在を検討する。さらに、同じ口腔サンプルから歯周病原性細菌10菌種について、菌特異的プライマーを用いたPCR法による検出を行うことにより、ピロリ菌の存在の有無と定着する歯周病原性細菌種の関係を検討する。また、サンプルを採取した患者に対して歯周状態および齲蝕罹患状態の記録を行い、これらの情報を網羅的に解析することにより、ピロリ菌の存在と小児口腔環境の関係を分析したいと考えて いる。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由としては、口腔サンプルの収集途中であるため、物品費が想定より少なく収まった。また、年度末に投稿していた論文が年度明けに受理されたことから、投稿費の使用がなかったため。 今年度の使用計画としてはまず、受理された論文の投稿費として使用する。また、口腔サンプルの分析を進め、その成果の発表を行う。
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Research Products
(1 results)