2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of a comprehensive assessment tool to support the oral health behavior of intellectually disabled persons
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22K10288
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
柴田 佐都子 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (00463977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Stegaroiu Roxana 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (10303140)
池田 吉史 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (20733405)
大内 章嗣 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80334671)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 障害者福祉施設 / 知的障害者 / 口腔衛生状態 / 実行機能 / 社会生活年齢 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、実行機能の観点から知的障害者の歯磨き行動を支援した歯科保健指導・支援の介入結果を分析対象として、初年度に引き続き知的障害者への歯科保健指導・支援の効果に関連する要因を明らかにするため、対象者を増やして分析した。検討した関連要因の項目は、対象者の特性として性別、所有している療育手帳の種類(A、B)、対象者の保護者への質問紙調査による障害重複の有無に加え、障害者福祉施設の職員によって回答された遂行機能障害質問表および社会生活年齢それぞれの評価結果、特別支援教育の専門家によって実施された語い年齢の評価結果であった。社会生活年齢と語い年齢は、歯科保健指導の理解度把握を目的として用いた。そのうち社会生活年齢は、歯科保健指導の理解との関連も報告されていることから、2022年度に社会生活年齢の視点から介入効果を分析し、口腔衛生状態は一定の社会生活年齢に達した者において改善傾向が示されることを明らかにした。さらに、2023年度の分析では最終的な解析モデルにおいて社会生活年齢のみに統計学的に有意な関連が認められ、2022年度の分析結果を裏付ける結果であった。以上のことから、知的障害者への歯科保健指導・支援には、歯磨き行動において困難さを認める実行機能の支援に加えて社会生活年齢を考慮した支援が必要であることが示唆された。本研究で用いた社会生活年齢の評価は、対象者の社会生活行動をよく知る施設職員または保護者といった第三者への質問紙調査によって実施可能であり、対象者への負担もなく歯科保健指導に役立つ情報を取得できる。知的障害者の社会生活年齢をアセスメントすることは、知的障害者の特性理解につながるだけでなく、有効な歯科保健指導方法確立にも貢献する可能性を示唆する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
知的障害者への保健指導・支援の効果に関連する要因として評価した社会生活年齢と語い年齢はそれぞれ、障害者福祉施設の職員と特別支援教育の専門家に依頼する必要があったため、スケジュールの調整や実施場所の確保に時間を要した。また、新型コロナウイルス感染症やインフルエンザの影響を受け、評価スケジュールの再調整が生じ、当初の予定より研究の進捗がやや遅れたと判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
知的障害者の口腔保健行動や口腔衛生状態に関連するさらなる要因検討のため、当該年度に行った先行報告の精査結果から新たなアセスメント項目として微細運動の評価を予定している。また、対象者の増加につなげるため、事前の調査において歯科との連携に関する意思表示があった障害者福祉施設にとどまらず、特別支援学校を視野に、研究活動範囲の開拓を検討している。
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Causes of Carryover |
研究の進捗状況に合わせて国際学会への研究成果の発表予定を次年度に変更したため、次年度使用額が発生した。次年度は学術大会への参加・研究成果の発表のための旅費と学会参加費や、追加の研究補助者の確保に用いることを予定している。
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