2022 Fiscal Year Research-status Report
健診,診療(医科・歯科),介護と予後を解析する機械学習を活用した大規模研究
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22K10289
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
伊澤 淳 信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (50464095)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増原 宏明 信州大学, 学術研究院社会科学系, 教授 (10419153)
横川 吉晴 信州大学, 学術研究院保健学系, 准教授 (50362140)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 医科歯科連携 / 要介護関連因子 / 大規模データ解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の概要:長野県の各自治体における特定健診、国民健康保険診療データ(被保険者数:約53.5万人)、介護度、死亡情報の5年間の集計が、県と信州大学の包括連携協定に基づいて申請者に提供されている。本研究は、2つの人工知能を搭載するビジネスインテリジェンス(BI)ツールを活用して、多次元のビッグデータを構築し、健診情報(生活習慣、危険因子等)、疾患(医科・歯科)の有無、介護度について、疾患の新規発症、介護度の上昇、生命予後との関連を縦断的に解析し、健康障害の背景因子を探索する。さらに、歯科口腔疾患と全身疾患との関連や、健康課題の自治体別比較について、機械学習を活用した論理推論により探索する。 研究実績の概要:以上の計画と目的に従って、ワークステーションにBIツール(Qlik Sense:株式会社アシスト)を導入した。長野県の市町村における国民健康保険診療データベース(KDB)から抽出された情報に基づいて、5年間の縦断解析を可能とするデータベースを構築した。医科および歯科診療データより、新規の病名登録を疾患の発症として、発症リスク因子と予後(生命予後、介護度の上昇)を縦断的に解析する準備を開始した。構築したデータベースの解析において、数点の課題が確認された。まず、疾患発症を定義する病名登録が、正しい病態に基づいた登録であるか、そして、全ての病態が病名として登録されているか、に関して、歯科および医科の実診療との齟齬がないように検証が必要と考えられた。実診療における病名登録が疾患発症と定義できる範囲において、本研究は因果関係等の解析が可能と考えられ、次年度に課題を解決して解析を目指す予定とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
構築したデータベースにおける病名フラグ(病名登録)が、実際の臨床病態を正しく反映しているか検証が必要である。疾患が存在しても保険診療の対象とならないために病名が登録されない場合や、登録された病名が実際には臨床的に明らかな健康障害ではない場合でも臨床検査が必要である等の理由で病名登録されている事象が存在する可能性が考えられた。そこで、既知の疾患頻度や合併する病態の因果関係に基づいて登録情報を分析する段階を設けることとしたため、当初計画した研究解析がやや遅れていると判断した。また、構築されたデータベースからQlik Senseの解析システムに取り込まれる際に、ソフトウエアの計算アルゴリズム(関数)による変換を介するため、取り込みエラーが生じていないか、元データとの検証が必要と考え、元データの一部を抜粋してデータベースとの整合を検証したため解析の進捗がやや遅れる結果となった。
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Strategy for Future Research Activity |
ビジネスインテリジェンスツール(Qlik Sense)に構築された大規模データにおいて、5年間に登録された疾患名(疾患発症)と介護度等の関連を縦断的に解析する。実際の臨床病態との整合の検討に基づいて登録データの信頼性を確認した後に、導入したQlik Senseの機械学習とAI解析機能を応用して、以下を今後の解析予定とする。1)複数の疾患発症が登録されている例において病態の相互の関連を解析する、2)医科・歯科に関連する病名(疾患発症)の関連を有するものを抽出してそれぞれの頻度と予後(他疾患の発症、生命予後、介護度)を解析する、3)介護度の上昇を抽出し、当該事例の背景(年齢・性別等)、直近の罹患疾患、合併疾患等に基づいて介護度上昇に関連する要因を解析する、4)特定健診の情報(生活習慣等の問診情報、血液検査結果等)をデータベースに収載し、健診異常、疾患発症、介護度上昇等との関連を探索する。
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Causes of Carryover |
ワークステーションに導入したビジネスインテリジェンス(BI)ツールを活用したシステム開発のため、初年度予算を支出したが、当該システムの維持管理には年度単位で予算が必要である。本研究計画は3年間の予定で進捗しており、初年度の未使用額を次年度のシステム維持管理費用として充当する予定としたため。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Comprehensive genetic screening for vascular Ehlers?Danlos syndrome through an amplification‐based next‐generation sequencing system2022
Author(s)
Yamaguchi T, Hayashi S, Hayashi D, Matsuyama T, Koitabashi N, Ogiwara K, Noda M, Nakada C, Fujiki S, Furutachi A, Tanabe Y, Yamanaka M, Ishikawa A, Mizukami M, Mizuguchi A, Sugiura K, Sumi M, Yamazawa H, Izawa A, Wada Y, Fujikawa T, Takiguchi Y, Wakui K, Takano K, Nishio S, Kosho T.
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Journal Title
American Journal of Medical Genetics Part A
Volume: 191
Pages: 37~51
DOI
Peer Reviewed
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