2022 Fiscal Year Research-status Report
Inhibitory effect of daily intake of sea cucumber contained jelly on oral malodor
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22K10315
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
岸 光男 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (60295988)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 明 公益財団法人岩手生物工学研究センター, 生物資源研究部, 研究部長 (50312286)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 口臭 / VSC / ナマコ含有ゼリー / 口腔真菌 / Candida albicans / 口腔レンサ球菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
1か所の食品加工場において研究協力者を募り、同意を得た者31名から同意を得た。その後2名が辞退し、ベースライン検査時に1名が除外基準(抗菌薬服用)に該当したため、28名を対象とした。身長・体重、年齢、歯磨き回数、舌清掃習慣、喫煙・飲酒習慣、服薬状況は質問紙により調査した。口腔診査前に、ブレストロンⅡ[(株)ヨシダ]による口臭(VSC濃度)測定(食後2-3時間絶飲食条件下)で行った。口腔内の検査項目は、硬組織の状態、CPIによる歯周組織の状態、口腔粘膜疾患、舌苔スコアとした。検査後、舌背から滅菌綿棒で試料を採取し、ゲノムDNAを抽出後、総細菌、口腔レンサ球菌、口腔真菌及びCandida albicansにそれぞれ特異的プライマーを用いた定量的PCRに供した。対象者を口腔真菌量が同等になるよう層化ランダム割り付けによりナマコ含有ゼリー(試験食)摂取群と非含有ゼリー(対照食)摂取群(各14名)に分類した。2週間、午前10時と午後3時にゼリーを摂取してもらった後、ベースラインと同様に口臭測定と口腔内検査を行った。試験群のうち、2名が試験期間中にドロップアウトしたため、最終的な分析対象は26名(試験群12名、対照群14名)となった。ゼリー摂取前後の比較では、対照群の平均VSC濃度は1,429から396 ppb(p=0.005),試験群では1,120から475 ppb(p=0.127)に低下し、対照群で統計学的に有意だった。真菌とC. albicansは検出率、平均コロニー数とも、両群ともに摂取前後で差がなかった。一方、レンサ球菌数はゼリー摂取後にどちらの群も増加し(CFU対数値:対照群6.06から6.81、試験群6.06から6.68)、対照群では統計学的に有意であった(p<0.001)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまで高齢者施設で口腔内微生物と全身並びに口腔内状況との関連を検討してきた結果では、口腔乾燥による口腔カンジダの増殖などにより、口腔真菌と口臭強度の正相関が予測された。しかし、健全成人を対象とした本研究では真菌及びC. albicansがいる者で口臭強度(VSC濃度)が低い結果となった。これは、C. albicansを含む口腔真菌と口腔レンサ球菌との関連が高齢者と異なっていることによるものと考えられた。すなわち、高齢者では口腔乾燥などの要因で口腔真菌が増殖する環境では口腔レンサ球菌が減少する、すなわち相反する関係にあるのに対し、健全成人では口腔レンサ球菌量と口腔真菌量は正相関関係にあった。本研究対象者群では口腔レンサ球菌とVSC濃度が逆相関関係にあり、レンサ球菌が多い者では口臭が低かった。このため見かけ上、口腔真菌と口臭強度の関係が逆相関関係を呈したものと考えられた。 新型コロナウイルス感染症流行の影響で、高齢者施設のみならず、一般の事業所などでの調査も困難な状況が続き、令和4年度は報告した1回の調査しかできなかった。そのため、予期しなかった交絡因子を調整するためにはサンプル数が少ない状況で、分析も困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後調査対象を増やして、今回確認できた交絡因子を低減させたい。 また、口臭強度や口腔微生物の動向には全身状態が大きく関与するため、高齢者施設での調査を行う予定である。現在、某訪問医療の協会に研究協力施設の紹介を依頼しているところである。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の終息が予想以上に遅れたため、臨地調査が困難であった。今年度は臨地調査を行う予定であり、現在複数の施設、事業所等と調整中である。打合せと自裁の調査のための旅費、微生物学的解析のための消耗品費等に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)