2022 Fiscal Year Research-status Report
口腔常在菌叢のdysbiosisに着目した口腔粘膜疾患の病態の解明
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22K10316
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
入江 浩一郎 神奈川歯科大学, 歯学部, 准教授 (50509594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
友藤 孝明 朝日大学, 歯学部, 教授 (80335629)
東 哲司 朝日大学, 歯学部, 准教授 (80432649)
山下 真幸 東京大学, 医科学研究所, 助教 (80588038)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 口腔粘膜免疫 / 自然リンパ球 / 自然免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、口腔粘膜免疫におけるILC3の同定方法の確立を目的とした。 まずは、ILC3が最も豊富に存在する小腸で、ILC3の採取方法についてWTマウスを用いて様々な検討を行なった。具体的な方法として、小腸から粘膜固有層を採取した後、digestion(CollagenaseⅡ, DNase)を行い、Percoll濃度勾配法を用いて粘膜固有層リンパ球を採取した。次にflow cytometryでは、ILC3分画関連マーカーの検討を行なった。表面抗原マーカーとしてTCRb, TCRγδ, CD4, B220, Rorγgt, Nkp46, CCR6、またはCD3, CD45, B220, Thy1.2, KLRG1, Nkp46, CCR6の抗体染色でILC3を確認できた。上記の方法で繰り返し検討を行い、最も安定してILC3が採取できる方法を確立した。次に口腔粘膜組織にILC3が存在するのか、上顎粘膜組織及び歯周組織を採取し同様の方法で検討を行なった。その結果、小腸粘膜固有層からのILC3と同様の結果を、上顎粘膜組織から得ることができた。 次にILC3の機能的役割を評価するために、口腔粘膜に炎症を誘発させる方法の検討を行なった。炎症を惹起させる歯周病病原菌であるPorphyromonas gingivalis 由来の毒素(LPS)を用いて、WTマウスの歯肉溝に滴下し、免疫応答を経時的(ベースライン、3時間後、1日後、3日後)に免疫染色にて評価した。その結果、ベースライン時と比べて、LPSを塗布してから24時間後にCD4+T細胞・好中球数が有意に増加した (p<0.05)。これらの結果を元に、今後LPS塗布24時間後の歯周組織を採取しILC3の発現を評価していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
所属の移動があったため、人材の確保や実験機器等の設備の影響で、継続して研究を遂行することが困難な状況であったため進捗状況に遅れが出た。
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Strategy for Future Research Activity |
実験が遂行できる環境を整え、共同研究者と協力し進めていく。また、ILC3の採取方法は確立できているため、分担者と情報共有を行い、口腔粘膜組織におけるILC3の機能の解明を行う。
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Causes of Carryover |
論文投稿料の支払いが次年度になったため、次年度に使用する予定。
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Research Products
(4 results)