2023 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of connection between oral microbiome and halitosis using metagenomic analysis
Project/Area Number |
22K10338
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
金子 昇 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (00397126)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濃野 要 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80422608)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 口臭症 / 菌叢解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
真性口臭症の多くは口腔内、特に舌苔から発生する揮発性硫黄化合物(VSC)が原因となっている。また、歯周病由来の病的口臭症の場合はVSCに占めるメチルメルカプタンの比率が高まることが分かっている。しかし、舌苔を構成する細菌叢と口臭症の病態との間には未だ不明な点が多い。例えば、舌苔を除去した後、再び舌苔が形成されるまでの時間は個人差が大きいこと、また、VSCのうち硫化水素やメチルメルカプタンはほとんど検出されないのにジメチルサルファイドのみ基準値以上で検出される症例があること等である。 これまでは、これらの病態と口腔細菌叢との関連性を調べることが技術的に困難であったが、近年、次世代シークエンサーによるメタゲノム解析により調べることが可能となった。 本研究では新潟大学医歯学総合病院 予防歯科の外来患者を対象とし、生理的口臭症(硫化水素主体)の方、歯周病を原因とした病的口臭症(メチルメルカプタンの割合上昇)の方、そしてジメチルサルファイドを単独で検出するような方で口腔細菌叢にどのような違いが生じているのか調べることを目的としている。 これまでに集まった検体について16S rRNA遺伝子プロファイリングに基づくメタゲノム解析を行った。群分けしてα多様性の比較とβ多様性の主成分分析を行ったが、まだ例数が少なく、特にジメチルサルファイドを単独で検出する患者数が不足している。引き続き、対象者を増やしつつ、ジメチルサルファイドを単独で検出する患者で特徴的な菌叢の変化が見られないか検討を行っていく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、新潟大学医歯学総合病院 予防歯科に通院する外来患者を対象としているが、新型コロナウイルスへの対策でマスクを着用する習慣のためか、口臭を気にして当科口臭外来を受診する患者が減少した時期が続いていた。その後の新型コロナの5類移行に伴い、口臭患者が増加してきているが、ジメチルサルファイドを単独で検出する患者が少なく、対象者がまだ十分に集まっていない。引き続き対象者の募集を続けて行く予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き、対象者を増やしつつ、得られた検体について菌叢解析を行っていく。十分な対象者が集まったところで、生理的口臭症(硫化水素主体)群、歯周病を原因とした病的口臭症(メチルメルカプタンの割合上昇)群、そしてジメチルサルファイド単独検出群を比較し、口腔細菌叢にどのような違いが生じているのか分析を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
新型コロナの影響等で、調査対象者の募集と検体の採取が遅れ気味であったため、その後の検査にかかる費用を翌年度分に繰り越した。今後、募集を継続しつつ検査を進めて行くことから、予定通りの費用を使用する予定である。
|