2023 Fiscal Year Research-status Report
Exploration of prefrontal cortex activation region elicited by eye movements during observation of visual materials
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22K10349
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
田中 聖至 日本歯科大学, 生命歯学部, 准教授 (00350166)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 歯科医学教育 / 眼球運動 / fNIRS / 視覚素材 / 情報探索パターン / GSR |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度公表した、Evaluation of eye movement patterns during reading of mixed dentition panoramic radiographs in dental students. では、混合歯列期のパノラマX線写真の読影時間を60秒間と規定して研究を行った。これは、「臨床実習生がチェアサイドでパノラマX線画像の読影を行い、指導医に所見を報告する」、といったシチュエーションを想定し、読影時間を規定したものである。この読影時間の規定が、実験参加者の「精神負荷」や「あせり」につながり、サッケードタイプの眼球運動パターンがみられたのでは、と推察した。そこで今回我々は、読影時間を規定せず、読影終了は実験参加者の自由意志として、眼球運動の測定を行った。前回の報告と同様、モノトーンアルゴリズム(Andrew AM et. al. 1979)に従って眼球運動を分析したところ、右回り、左回り、サッケードタイプの眼球運動パターンが認められた。読影成績と観察時間の長さに相関関係は認めなかった。読影成績と関連したのは瞳孔面積であった。前回の報告では、読影成績と瞳孔面積は正の相関を示したが、自由観察とした今回は負の相関を示した。右回りの眼球運動パターンの実験参加者はおおむね高い読影成績を示した。しかし、右回りの眼球運動パターンを示すものの、観察部位がパノラマX線画像の一部にのみ限局した実験参加者は低い読影成績を示した。サッケードタイプの眼球運動パターンを示す実験参加者は、前回と同様、低い読影成績を示した。サッケードタイプの眼球運動パターンを示す実験参加者の中には、観察時間が極端に短く、停留点がほとんど見られない眼球運動パターンを示す者が認められた。これらの知見は現在Journal of Eye Movementに投稿準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
fNIRS解析による前頭葉賦活部位に個人差が著しく、特定のchの同定が困難なため。
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Strategy for Future Research Activity |
個々のch評価を継続しつつ、前頭葉を3領域に分割して、ストレス(LIR)や感情評価(嫌悪:mPFC、恐怖:LPFC)が読影成績に関係するか、を引き続き検討する。生理的指標として皮膚電気反応(GSR)と心拍変動(HRV)を追加し、読影時のストレスを評価する。読影時間が長い実験参加者は、読影成績が低い傾向を認めたため、ワーキングメモリの測定を検討中である。また、右回りの眼球運動を示すが、視覚素材の一部に限局した観察を示し、読影成績が低かった実験参加者は、視覚処理の大域/限局処理に問題があることが予想されるため、Navon課題もしくはEmbedded Figure T testなどの心理検査の追加を検討中である。
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Causes of Carryover |
海外での学会発表を行わなかったために、次年度使用額が生じた。 為替の関係で投稿費用が急騰しているため、次年度使用額を充てたい。
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Research Products
(4 results)