2023 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の転倒外傷を減らすための消防・介護予防・地域協働モデルの構築
Project/Area Number |
22K10366
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
上村 修二 札幌医科大学, 医学部, 講師 (10448607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 浩文 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20359996)
小山 雅之 札幌医科大学, 医学部, 講師 (10822736)
田口 裕紀子 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (30896105)
中山 龍一 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (10919731)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 転倒予防 / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年の検討では屋外と比較して屋内転倒の将来予測値の方が増加することがわかったため、札幌市消防局の救急搬送データを利用し、救急搬送された65歳以上の高齢者の屋内転倒の中で、住宅から要請された転倒と高齢者施設から要請された転倒を比較検討した。結果は高齢者施設では住宅と比較して骨折割合は低い(オッズ比0.88)が大腿骨骨折の割合は高い(オッズ比1.50)ことがわかった。住宅が冬に転倒が多いのと比較して高齢者施設では季節変動は少なかった。住宅は日曜日に転倒は少なく、月曜日に多く、反対に高齢者施設は日曜日に転倒が多いことがわかった。要請時間はともに9時台が最多であったが、高齢者施設では17時にももう一つのピークがあった。この結果を踏まえて、介護老人保健施設、特別養護老人ホーム、グループホームをそれぞれ訪問し、職員から実情をヒアリングしそれぞれの理由について考察したところ、大腿骨骨折の割合が高いのは大腿骨骨折以外であれば施設の医師の受診のみだったり、救急車を呼ばずに施設の車で外来受診していること、季節の変動が少ない理由は一人の人が数回転倒するパターンが多く、不注意による転倒ではないことが多いこと。日曜日が多い理由は土日は職員の数が少なく監視の目が少ないこと、17時にもう一つのピークがあるのは夕方になると老人特有のそわそわが始まる(日没症候群)がかかわっている可能性があることなどがあげられ、今後の啓蒙活動に活かされる知見を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
消防局のデータ解析や地域の高齢者施設へのヒアリング調査などは実施できているが行政とのかかわりが進んでいない、2024年度は行政データの解析や行政も交えた今後の転倒予防に対する意見交換のシンポジウムを開催予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は消防局のデータの地域単位での解析と行政データの地域ごとの解析に加えて、行政も交えた有識者との意見交換会を開催して今後の対策につながる研究を推進していきたい。
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Causes of Carryover |
行政との意見交換会などを2023年度にはできず、2024年度に予定している。
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