2023 Fiscal Year Research-status Report
COVID-19によるパンデミック後の新興感染症対策の再構築にかかる研究
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22K10438
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
田辺 正樹 三重大学, 医学部附属病院, 教授 (50456737)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | COVID-19 / 新興感染症対策 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年に発生したCOVID-19によるパンデミック後の新興感染症対策の再構築について検討することが本研究の目的である。2023年度も引き続き、COVID-19後の行政の動向把握を行った。感染症対策の再構築に向けた国の動きとして以下のものがある。 (1)医療法関連:医療計画の6事業目として「新興感染症発生・まん延時における医療」が追加された。2009年の新型インフルエンザ発生後の再構築時との大きな相違点として、都道府県と医療機関等が協定を締結し、新興感染症に備える点が挙げられる。2023年度末に各都道府県は医療計画を作成した。 (2)感染症法関連:2022年12月9日の改正感染症法において、国及び都道府県よる総合調整、都道府県連絡協議会の設置、第一種・第二種協定指定医療機関の新設、公的医療機関等の医療措置協定、基本指針及び予防計画の改訂、IHEATの法定化、感染症対応等を行う医療チームの法定化など、様々な点が変更されている。2023年5月26日に感染症の予防の総合的な推進を図るための基本的な指針が発出されたことを受け、都道府県及び保健所設置市においては、医療計画同様2023年度末に予防計画を作成した。 (3)新型インフルエンザ等対策特別措置法関係:新型インフルエンザ等対策推進会議において新型インフルエンザ等対策政府行動計画の改定が議論されており、2024年6月に改定案が出される予定で、政府行動計画改定を受け、都道府県及び市区町村はそれぞれ行動計画を見直すこととなる。 上記の政策的変更を把握しつつ、COVID-19が医療に与える影響についてレセプト等のデータを用いた検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年5月8日からCOVID-19が感染症法上の5類に移行したことに加え、医療法改正・感染症法改正のほか、新型インフルエンザ等対策特別措置法関連の変更も行われている。これら国の政策変更を受け、今後地方行政の計画が変更されることになるが、行政の動向については逐次フォローできている。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナワクチンの動向については、2023年度末で特例臨時接種が終了し、2024年度からは定期接種(B類疾病)へ移行となった。行政動向が刻々と変化しているため、これらの動向把握を続けつつ、COVID-19が医療に与えた影響について、レセプトデータを用いた分析を検討している。
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Causes of Carryover |
国の政策変更をみつつ研究を行っている。予防接種についても大きな変更が生じたところであり、当初予定していたアンケート調査を見直し、海外の動向調査とレセプトデータを用いたCOVID-19の医療への影響についての分析を検討しており、次年度に繰り越しを行った。米国SHEA springへの参加に係る旅費や新興感染症対策の再構築検討のための消耗品等に使用する予定である。
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