2022 Fiscal Year Research-status Report
薬局で実施可能な認知行動療法に基づく睡眠衛生指導プログラム開発と効果の検証
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22K10440
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡田 浩 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (10533838)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 渉太 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (00830770)
坂根 直樹 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究室長 (40335443)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 睡眠 / 薬局 / 睡眠衛生 |
Outline of Annual Research Achievements |
「国民健康・栄養調査」(厚生労働省)によれば、成人の22%が「睡眠全体の質に満足できない」と回答しており、公衆衛生上の重要な課題となっている。不眠に対して認知行動療法(CBT-I)が有効で、ガイドラインでも推奨されている。しかしCBT-Iは専門施設の医師や心理専門職(セラピスト)が実施するが、その数は患者数に比し十分ではない。全国に6万軒ある保険薬局で実施可能な簡便で有効な睡眠衛生指導のプログラムのパッケージが開発されれば、社会的インパクトは非常に大きい。CBT-Iに基づく薬局で実施可能な簡便で効果の高い「睡眠衛生指導」を薬剤師が学ぶ教育プログラム・資材を開発する。さらにその有効性を睡眠センサーによるデータを使い、その効果をRCTで検証する。 本年度は、以下の3つを実施した。
1.薬剤師教育プログラムの開発:CBT-Iと睡眠衛生のスキルを薬剤師が学ぶWeb教育プログラムを開発。 2.患者向け配布資材の開発:短時間のWeb研修を受ければ薬剤師が薬局で実施可能にするため、患者向けの配布資材を作成。薬剤師は資材を使って睡眠改善の説明を行うようにした。Webプログラムは睡眠改善支援のスキルを学ぶ対話例を取り入れた。 3.研究フィールドの確保:本研究の実施薬局として数社に依頼し、準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・順調に進展 「睡眠教育プログラムの開発」:共同研究者とともに、睡眠改善のために認知行動療法と睡眠衛生の手法を薬局で患者に短時間で伝える「資材・リーフレット」と「教育プログラム」の開発を行った。 「研究実施フィールド」:研究を実際に行う薬局は、チェーン薬局数社に依頼し内諾を得た。現在は「資材の送付と回収」、「データ収集」、「研修の実施」などの方法について各社と相談している。 ・やや遅れている 「倫理審査」:夏までに倫理審査を終え、実際の薬局での研究を開始することを予定している。 睡眠センサーから情報を集約する方法や、センサーの貸し出し、回収方法などの手順について、貸出する企業、大学、薬局で、実際に試してみるなどの作業が必要となりそうで、そのための準備を現在は進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
ほぼ順調に進んでおり、本年度中に薬局での介入研究を開始予定である。本年度末にはデータを回収、次年度の解析につなげる見込みである。今後の予定としては以下の通り ・令和5年度 7‐8月:研究参加薬剤師の募集、9月:研究開始、3月:研究終了、データ回収 ・令和6年度 データの解析、発表
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Causes of Carryover |
パイロットのための睡眠センサーの購入を予定ていたが、次年度に持ち越すことにした。また、当初予定していた会議や出張が、大学からの規制のため実施できなかった。これらは、今年度に実施することを予定している。
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Research Products
(1 results)