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2023 Fiscal Year Research-status Report

社会調査とレセプトを用いた中年独身者の幸福、孤独、健康、医療費に関する探索的研究

Research Project

Project/Area Number 22K10448
Research InstitutionTohoku Medical and Pharmaceutical University

Principal Investigator

尾形 倫明  東北医科薬科大学, 医学部, 助教 (60633675)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 千葉 宏毅  北里大学, 医学部, 講師 (90713587)
たら澤 邦男  東北大学, 医学系研究科, 講師 (30632806)
大北 全俊  東北大学, 医学系研究科, 准教授 (70437325)
若林 真衣子  東京通信大学, 人間福祉学部, 専任講師 (70550549)
佐々木 雅史  東北医科薬科大学, 医学部, 助教 (60531093)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords独身者 / WEB調査 / ネットスラング / 生きづらさ
Outline of Annual Research Achievements

今年度は主に、独身者のネット世論について理解を深めた。本研究の開始後もネットミームは変化を続けており、申請当時のSNS上のネットミームは「子ども部屋おじさん」であった。そこで、用語についてネットを検索し、他者の議論を引用しつつ整理することを試みた。そもそも未婚の中年を巡る問題は主に男性に対して発せられる。2015年頃に一柳によってネット上で発せられた「キモくて金のないおっさん(通称KKO)」によって、就職氷河期とリーマンショック後に問題視された孤独死、派遣切り労働者への炊き出しと年越し派遣村問題、ネットカフェ難民など寄る辺ない人(主に男性)が可視化されていった。このKKOは容姿が優れておらず(不細工)、お金があるわけでもない(貧困)、「中年」「独身」男性を「キモい」とカテゴライズし侮蔑する意味を持つが、KKOは男性による自称でもあった。
KKOはその言葉の強さから弱者男性と換言されていった。トイアンナは弱者男性を巡る議論ついて差別であると論じ、弱者の対極である強者男女は弱者に対し、実力がなく、努力していない人としてネット上で気軽に誹謗中傷を行っていると述べた。さらに昨年より急速にネットミームとして拡大した言葉が「チー牛」である。旧Twitterに投稿された「チェーン店でチーズ牛丼を注文する男性の自画像」は、その容姿が発達障害者、ネクラ、オタク男性に多そうという偏見とともに拡大した。トイアンナ氏は男性差別は笑いの種であると述べている。
これら男性に向けられた「KKO」「チー牛」「弱者男性」に加え、恋愛詐欺事件の被告を端緒とする独身中年男性の呼称「おぢ」が急拡大しており、今後、SNSとmisandryの概念を考慮した研究が求められる。
また、予備調査として東北地方に住む35歳から69歳までの男女900人に対してWEB調査を実施した。独身者を抽出した分析は次年度に行うこととした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

レセプトによる医療費の特定に困難が生じている。レセプト情報には世帯状況や婚姻状態が含まれていないことが大半であった。電子カルテのテキスト検索によって医療ソーシャルワーカー等によって記入された「独身」などの単語を手がかりに、データベース検索が実施可能かをまず検証する必要が生じている。病院の研究倫理との兼ね合いで、次年度は上記の相談を進める。

Strategy for Future Research Activity

今回、SNSのネットスラングについて概説を試みたが、当事者たちはSNSによるフィルターバブルの渦中におり苦しんでいると思われるので、生きづらさを可視化することが調査のひとつの目標である。また、もう一つの課題であるレセプトによる医療費の収集が困難であった場合は、本調査に医療費の概算を記入させるなどの対応をとる。また、公的統計の利用によって単身世帯の医療費を独身者の医療費として代替する変数として用いる。

Causes of Carryover

もともと本年度にWEB調査を実施する予定であったが、調査の委託コストの上昇により、設問数や調査対象の規模について再検討が必要となった。そのため、実査を次年度にスライドさせたために次年度請求額が生じている。次年度に実査を行い使用する計画である。

  • Research Products

    (5 results)

All 2023

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 2 results) Presentation (3 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Journal Article] Associations of Death at Home with Medical Resources and Medical Activities in Cancer Patients: A Nationwide Study Using Japanese National Database2023

    • Author(s)
      Tarasawa Kunio、Fujimori Kenji、Ogata Tomoaki、Chiba Hiroki
    • Journal Title

      Annals of Geriatric Medicine and Research

      Volume: 27 Pages: 91~98

    • DOI

      10.4235/agmr.23.0048

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] 二次医療圏の地域経済循環構造と医療介護専門職の勤務特性2023

    • Author(s)
      尾形 倫明、伊藤 道哉、佐原 あきほ、山崎 清、伊藤 弘人
    • Journal Title

      日本医療・病院管理学会誌

      Volume: 60 Pages: 86~94

    • DOI

      10.11303/jsha.60.86

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] 性・年代別の違いに着目したがん患者の 都道府県別在宅看取りと医療資源・医療活動との関連 :NDB集計データを用いた全国調査2023

    • Author(s)
      たら澤邦男, 千葉宏毅, 尾形倫明
    • Organizer
      日本医療・病院管理学会
  • [Presentation] 医療と公衆衛生の倫理:COVID-19パンデミックの経験から2023

    • Author(s)
      大北全俊
    • Organizer
      日本看護倫理学会第16回年次大会
    • Invited
  • [Presentation] 進行がん患者が抱く「他者から世話になることの負担感(SPB)」の経時的変化に関する研究2023

    • Author(s)
      千葉宏毅, 尾形倫明, たら澤邦男,ほか
    • Organizer
      第36回サイコオンコロジー学会総会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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