2023 Fiscal Year Research-status Report
Paraben exposure and reproductive function of men and women
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22K10484
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小西 祥子 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 准教授 (70451771)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 妊孕力 / 月経周期 / 甲状腺 / ヨウ素 / 環境曝露 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に分析した19-21歳の女性175名の月経周期と甲状腺バイオマーカーおよび尿中ヨウ素濃度の関連についての論文を執筆し学術雑誌に投稿した。今回の対象者の大部分は甲状腺関連バイオマーカーの値が基準値内であった。基準値を外れたものの割合は甲状腺刺激ホルモンについて11%、遊離トリヨードサイロニンで2%、遊離サイロキシンで2%であった。抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体は26%、抗サイログロブリン抗体は10%の対象者で陽性であった。尿中ヨウ素濃度と血中のいずれの甲状腺関連バイオマーカー(甲状腺刺激ホルモン、遊離サイロキシン、遊離トリヨードサイロニン、抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体、抗サイログロブリン抗体)濃度との間にも関連がみられなかった。尿中ヨウ素濃度をクレアチニン濃度あるいは尿比重で調整した場合にも結果は同様であった。20-34歳の日本人女性を対象とした先行研究では血中の遊離サイロキシンおよび遊離トリヨードサイロニン濃度と尿中ヨウ素濃度が負の関連を示したのに対して、今回の研究では同様の傾向は観察されなかった。両研究の結果の差異が対象とした女性の年齢の違いによるのか、あるいは別の要因によるのか現時点では不明である。 液体クロマトグラフィータンデム質量分析装置(LC-MS/MS)を用いて尿中パラベン濃度を測定するための測定系を確立した。本研究で分析を予定しているのは男性の尿検体であり、女性と比較して尿中パラベン濃度が低いことが予測されるため、予備測定を繰り返して精度の高い測定系を確立した。 本研究ではパラベン類曝露およびヨウ素摂取の複合影響を分析するため、その準備として化学物質の複合曝露の評価方法に関するレビュー論文を共同研究者とともに執筆し日本衛生学雑誌に投稿した。論文は同雑誌に掲載され、日本衛生学雑誌の最優秀論文賞を受賞した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
尿中パラベンの高精度の測定系を確立することができたものの尿試料中のパラベン濃度の測定はできなかったため当初の計画よりもやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は男性の尿試料中のパラベン濃度を測定し、これらの濃度と性機能の関連について複合曝露を考慮した統計解析を行い、成果を学会で発表する。その後速やかに論文として投稿する。
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