2022 Fiscal Year Research-status Report
免疫抑制薬投与下におけるCOVID-19ワクチン接種の有効性と安全性
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22K10505
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡本 道子 東北大学, 医学系研究科, 助教 (10593981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 繭子 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (20598031)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 新型コロナウイルス感染症 / 血清抗体価 / COVID-19 / ワクチン / 免疫抑制剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、新型コロナウイルスワクチン接種前後の血清において、膠原病関連疾患に罹患している患者に投与されている疾患修飾性抗リウマチ薬やステロイドの数や量、疾患の種類や重症度、年齢総などの背景因子によって、 ワクチンにより得られる抗新型コロナウイルス抗体価(血清中の濃度)上昇に差があるか 、またワクチン接種による副反応や疾患活動性の変化が生じるかを評価することを目的とした前向きコホート研究である。東京都内総合病院と埼玉県内にある膠原病専門内科医院の2施設で患者登録を行い、2023年3月までに登録された膠原病関連症例数は合計358例で、受診科の内訳は膠原病・リウマチ関連症例259例、呼吸器病関連 99例であった。3回目のワクチン(ブースター)接種前より、膠原病関連症例の対象として病院勤務者の取り込みも行い、210名が登録された。4回目接種の施行 に伴い、研究期間の延長の承諾を得て追跡可能であった研究参加者からは 4回目接種後まで血清検体の収集を行った。このうち、膠原病関連症例のワクチン2回 目接種直後、2回目接種から半年後または3回目接種直前、3回目接種直後の血清検体における新型コロナウイルスの抗スパイク(S)蛋白に対するIgG抗体価を比較したところ、3回目接種直後の抗体価は、2回目接種後の抗体価と比較して治療薬によらず高い傾向が認められた。臨床・疫学的背景因子の詳細、投薬内容を含めたデータ解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臨床検体の収集、抗新型ウイルス体検査を予定通り終了した。
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Strategy for Future Research Activity |
抗スパイク(S)蛋白IgG抗体価の経時的変化(抗体減少の速度等)を症例の投薬内容、疾病分類、重症度、年齢、合併症等の背景因子との関連も含めて統計解析を進める。また、収集された検体を疾病、投薬内容別の群に分け、中和抗体量を測定し群間比較行い、中和抗体に疾病や投薬が与える影響について解析を進める。
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Causes of Carryover |
当初の研究計画に加えて4回目検体採取の収集を行ったが、COVID-19の第6波から第8波への対応のため、研究協力施設での症例データの収集が遅れた。2023年度には収集されたデータの解析を進め、それに基づき検体を比較群に分け、当初予定していた血清学的検査(追加の抗体検査)を進める予定である。
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