2022 Fiscal Year Research-status Report
Assessment of mercury exposure and cardiovascular disease risk in a Japanese cohort
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22K10511
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
郡山 千早 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (30274814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶽崎 俊郎 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 特任教授 (50227013)
山元 恵 国立水俣病総合研究センター, その他部局等, 部長 (70344421)
指宿 りえ 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (90747015)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 水銀 / 循環器疾患 / コホート研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの先行研究において、食事・環境由来の水銀曝露と循環器系疾患リスクとの関連が示唆されている。日常生活における水銀の主な曝露源は海洋由来の魚介類の摂取によるものであるが、一方、魚由来の不飽和脂肪酸には循環器系疾患に対して予防的効果があることから、水銀の影響とは拮抗する関係にある。これまでの先行研究結果において、不飽和脂肪酸の影響を加味した上で、水銀曝露と循環器系疾患リスクとの関連を検討した研究は限られていること、また、過去の研究はすべて欧米で行われたものである。そこで本研究では、魚の摂取量が比較的多い日本人のコホート集団を対象とし、不飽和脂肪酸の影響を考慮した上で、水銀曝露と循環器系疾患リスクとの関連を評価する。さらに水銀の代謝酵素の遺伝子多型を調べ、宿主要因との相互作用を検討し、水銀曝露と循環器系疾患との因果関係を明らかにすることを目的とする。 2022年度は鹿児島大学大学院医歯学総合研究科倫理審査委員会にて承認を得た上で、対象地域(鹿児島)のコホート集団の中で循環器疾患(脳卒中および心疾患)の罹患情報を収集整理した。さらに冷凍保存した血液赤血球を用いて水銀測定の予備実験を行い、長期間冷凍保存した試料の測定条件を確認した。 2006年以降の脳卒中発症者は73名であり、内訳は脳梗塞46名、脳出血23名、くも膜下出血4名であった。性別では男性39名、女性34名であり、年齢分布は60歳以上が85%を占めていた。一方、心疾患は心筋梗塞患者が22名、大動脈瘤患者が9名であり、これらの患者の診断・治療に関する情報収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
必要な倫理審査委員会の承認手続きを済ませ、症例の同定と内訳を把握した。また、赤血球中の水銀測定についても予備的検討を済ませている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、把握した脳卒中症例群とコントロール群(性・年齢をマッチングし、1症例あたり2名を抽出)、約200名の血液試料を用いて赤血球中の水銀測定と不飽和脂肪酸の測定を行う。 また、心疾患症例についても罹患情報を収集しているので、データの整理を行い、脳卒中症例の解析が終了後、心疾患についても水銀および不飽和脂肪酸の測定を行う。
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Causes of Carryover |
血液試料を用いた飽和脂肪酸の測定を外注として予定していたが、測定終了までに年度をまたぐことが想定されたため、2023年度に実施することとしたためである。
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