2022 Fiscal Year Research-status Report
Mechanisms of Hepatocarcinogenesis via Epigenetics Induced by Transplacental Exposure to Dimethylarsinic Acid
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22K10512
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
鈴木 周五 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (60363933)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤岡 正喜 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 特任講師 (10648463)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 肝発がん / ヒストン修飾 / メタボローム |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、ジメチルアルシン酸 (DMA)ばく露によるヒストン修飾の関与を検討するため、DMAの経胎盤ばく露した6週齢仔マウスの凍結肝臓からヒストン蛋白を抽出し、triple quadrupole mass spectrometerおよびUltiMate 3000 Dionex nano-liquid chromatography systemを用いて解析した。その結果、DMAの経胎盤ばく露した肺組織で認められたヒストン3リジン9の3メチル化(H3K9me3)は0.89倍と亢進は見られず、肺と肝組織におけるDMAによる影響の違いを確認出来た。また、無機ヒ素を投与したマウス肝臓で診られたp16遺伝子発現の低下やH3K9me2の増加は、今回の結果では見られず無機ヒ素と異なる発がん機序が存在する可能性を示した。過去に遺伝子発現制御を報告されているH3K27me3、H3K4me3については対照群と差が見られず、一方で、H3のバリアントであるH3.3のK36me3については増加傾向を示し、遺伝子発現活性に関与する可能性がある。加えて、H1.4のK25me2の増加およびK25m3の低下が見られ、DMAによる新たな制御機構が存在する可能性を示した。 また、DMAの経胎盤ばく露した6週齢仔マウスの凍結肝臓を用いて脂質に着目したメタボローム解析を行った。方法として液体クロマトグラフィー質量分析計を用いて、各脂質成分物質を同定するとともに、その物質量をそれぞれ計測した。その結果、Triglycerideを主体とする脂質の増加や、Fatty acid等の低下など、肝組織内脂質量変化を確認できた。今後は、脂質の変化と肝発がんに着目して検討を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
DMAの経胎盤ばく露した6週齢仔マウスの凍結肝臓を用いて、そのヒストン修飾についても解析および、脂質に着目したメタボローム解析を行った。ヒストン修飾については、過去の報告との相違について検討しており、メタボローム解析については新たな知見が得られた。 以上から、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は上記の結果を踏まえ、ヒストン修飾については遺伝子発現変動に関与する修飾を主体に検討する予定である。また、肝組織におけるメタボローム解析では、脂質の存在と発がん性について文献的にも検討し、発がん機序に関わる脂質を検証する予定である。さらに、DNAメチル化解析を行うことで、DMAの経胎盤ばく露による発がん性に対するエピジェネティクスの関与を検証する解析を進める。
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Causes of Carryover |
今年度の脂質に着目したメタボローム解析を行う際にキャンペーン価格で安くなった分、予定予算よりも安くすんだ。加えて、次年度に脂質代謝に基づいた肝発がん機序を検討するため計上した予算が価格改定でやや高くなったこともあり、次年度に繰り越して使用することに決定した。
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Research Products
(1 results)