2023 Fiscal Year Research-status Report
The Mechanism of Immune Alteration by Lactoferrin in Mucosal Tissues and its Relevance to Inflammatory Bowel Disease
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22K10518
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Research Institution | Matsuyama University |
Principal Investigator |
長岡 憲次郎 松山大学, 薬学部, 講師 (40752374)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ラクトフェリン / 炎症性腸疾患 / アレルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、抗ラクトフェリン(LF)抗体陽性マウスの実験モデルを確立し、気道や腸管の粘膜組織で免疫機能が変化していることを発見した。抗LF抗体は好中球抗体(anti-neutrophil cytoplasmic antibody;ANCA)の一つであり、様々な自己免疫性疾患と関わるとされるが、腸管免疫疾患であるinflammatory bowel disease(IBD)との関連性については、詳細な検討がなされていない。本研究では、抗LF抗体およびLFタンパク質が腸管免疫に及ぼす影響を解明し、IBDの新たな病態機序を見出すことを目的とする。 DSS誘導大腸炎モデルマウスにおけるBLF抗体の有無の影響について検討した。BALB/cマウスにウシラクトフェリン (BLF) をアジュバントと混合して腹腔内投与を行い、BLF抗体を産生させ、DSSを飲水投与した。通常飲水の大腸組織において、BLF感作マウスはIFNγ、IL4、IL10、IL17A、TSLPが有意に低下した。DSS飲水では、BLF感作マウスでIL33、MIP-2が有意に低下していた。BLF抗体の存在が腸管免疫に影響し、DSSによる大腸炎に対する感受性を変化させていると考えられる。また、マウス肥満細胞に精製したIgGを曝露させたところ、わずかに脱顆粒が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウス組織を用いたサイトカイン分析を行うことができたが、次世代シーケンサーによる腸内細菌叢解析を行うための準備ができず、その後の研究が行えなかった。また、in vitro実験において、好中球を用いた実験に多くの検討を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
マウスモデルにおける腸内免疫機能への影響について、腸内細菌叢に関する検討を行う。また、マウスから回収した抗体を精製してin vitro実験を行い、BLF抗体が好中球や肥満細胞等の免疫細胞に与える影響について評価を行う。臨床研究の計画を進め、ヒトにおいて好中球等の免疫細胞マーカーとIBDの重症度にどのような相関がみられるかを調べる。
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Causes of Carryover |
次世代シーケンサーによる腸内細菌叢分析を行うことができなかったため。その分は次年度に行うことで使用する予定である。
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