2022 Fiscal Year Research-status Report
新型コロナウイルス感染症の時間的および空間的な流行動態に関する研究
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22K10529
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
鷲見 紋子 札幌医科大学, 医療人育成センター, 教授 (10363699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 雅之 札幌医科大学, 医学部, 講師 (10822736)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | COVID-19 / 時系列解析 / 予防接種 / 変異型 / 数理モデル / カオス / 麻疹 / 予測解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度の研究実績は下記の通りである。 1)本邦におけるCOVID-19の陽性報告者数時系列データに最大エントロピー法に基づいたスペクトル解析を行った結果、予防接種以前と以後では周期構造が異り、その様相は麻疹と共通であることがわかった。この結果は、麻疹について構築されてきた数理モデルのCOVID-19への適用可能性を示すものである。得られた結果を論文としてまとめ、査読付英文学術誌に現在投稿中である。 2)COVID-19の47都道府県別陽性報告者数時系列データを上述1)と同じ方法で解析した。その結果、COVID-19の流行変動の地域分布について有意な特性が検出された。得られた結果を現在論文としてまとめており、査読付英文学術誌に投稿準備中である。 3)現在、COVID-19の陽性報告者数時系列データを用いて、予測解析を行っているところである。予測解析では、スペクトル解析の結果から、基本モードを同定し、あてはめ解析を行い、得られたあてはめ曲線を未来に延長することによって、定量的に予測値を得るものである。 4)今後は、上述1)~3)の本邦の実測データの解析結果に基づいて、東南アジア諸国のデータの陽性報告者数時系列データを解析し、国ごとに流行変動が異なる要因を定量的に調べる予定である。 4)上述4)に加えて、今後は、ウイルスの変異の様相を取り込んだ数理モデルを解析し、この数理モデルから得られた結果を、上述1)~3)の実測データから得られた結果と比較検証し、COVID-19はもとより新興・再興感染症の今後の出現に備えたいと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
報告者によるこれまでの感染症に係る結果を土台としていることから、COVID-19についても有意な結果が得られており、現在COVID-19に係る論文を1本投稿中、2本を投稿準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
1)本邦の実測データの解析結果に基づいて、東南アジア諸国のデータの陽性報告者数時系列データを解析し、国ごとに流行変動が異なる要因を定量的に調べる予定である。 2)ウイルスの変異の様相を取り込んだ数理モデルを解析し、この数理モデルから得られた結果を、上述1)の実測データから得られた結果と比較検証する予定である。
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Causes of Carryover |
予定していた海外出張がコロナ禍により延期となり、次年度使用額が生じた。2023年度は、海外出張を行う予定である。
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