2022 Fiscal Year Research-status Report
職域におけるCOVID-19感染伝播を防止するモデルを構築するための基礎的研究
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22K10551
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
内田 満夫 群馬大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (00377251)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | COVID-19 / 疫学 / 質問紙 / 産業保健 / 感染伝播 / 労働者 |
Outline of Annual Research Achievements |
COVID-19の流行が拡大する要因の1つとして,社会集団における“労働者世代”の活動が挙げられる。この世代では,職場内における休憩場所・食堂・更衣室などにおける感染伝播が疑われている。しかしこの休憩場所などの施設はどの職場組織にも存在するが,実際は感染伝播が起きた職場とそうでない職場があり,職場のこれら施設における対策と感染伝播との関連はいまだ不明瞭である。その理由は,職場の業種や規模別に感染対策実施状況が評価されたことはなく,また職場組織で発生した感染伝播事例の原因の解明までは行われていないためである。そこで本研究は,群馬県下の一般企業を対象として,COVID-19の流行状況を質問紙により情報収集し,そのデータを医学統計的手法,また機械学習の手法により評価し,感染伝播に関連する因子について調べることを目的とした。 令和4年度は,調査対象に質問紙を配布してデータ収集を行い,データを入手した。調査には,労働基準協会連合会および地区協会に協力をいただき,会員組織に対する郵送物に合わせて質問紙を送付するなど用意周到に実施したが,対象4,000社に対して回答は約300社となり,想定よりも低い回収割合であった。この背景には,調査機関にCOVID-19の流行が重なってしまったこと,さらに企業組織における感染対策の不備を知られたくないことや,組織内での感染伝播の事実を組織外に出したくないというネガティブな心理が働いたことが推測される。しかしながら,それでもこの調査に回答していただいた企業には感謝しながら,得られたデータを分析することが必要である。以上,初年度はCOVID-19に関する企業組織におけるデータ収集をおこなうことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査用紙の作成,調査協力依頼,労働基準協会への説明回り,用紙の配布,回収と,当初の予定通り研究を進めることができた。質問への回答は,当初予想していた割合よりかなり低かったが,COVID-19の対応で忙しかった時期に調査をお願いしたこともあり,これ以上回収することは困難であったことが考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は,入手したデータをデータベースに入力し,伝統的な医学統計的手法に加え,機械学習を用いたデータ分類もおこない,企業組織内で発生した感染伝播に影響する組織内要因について探索を行う予定である。また得られた分析結果を元に,学会発表などにより速やかに社会に情報発信することを計画している。
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Causes of Carryover |
当初の計画に対し,質問紙の作成にかかる費用,関連著作物の出版などを考慮して前倒し請求をおこなった。しかしながら,当初の予算を大きく上回ることはなかったため,結果として次年度使用額が生じてしまった。今後は研究計画に沿って活動をおこない,当初の予定通りに進めることとする。
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Research Products
(3 results)